[category]
[title]
アンヌ=ソフィー・ピックが監修、クチュールと美食が融合したダイニング体験を

建築家の藤本壮介がデザインを手がけ、心斎橋に新たに誕生した「ハウス オブ ディオール 心斎橋」。その4階に、DIORの世界観を体現するレストラン「ムッシュ ディオール 大阪」がオープンした。空間デザインは建築家のピーター・マリノ(Peter Marino)が担当し、メゾンの創設者であるクリスチャン・ディオール(Christian Dior)が愛した庭園を想起させる、光と花に満ちた世界観が広がる。
料理を監修するのは、女性シェフとして世界で最も多くのミシュランスターを獲得したことで知られるアンヌ=ソフィー・ピック(Anne-Sophie Pic)。ブランドの歴史や象徴的なモチーフを再解釈し、伝統的なフランス料理の技法に、たまり醤油・米酢・だし・そば茶など日本の食材や香りを融合させた、アートのようなコースを展開する。クチュールのような優雅さをまとい、五感を刺激する体験へと誘う。
ピックは「学生の頃に訪れた日本での経験が、自身の料理の基盤になっている」と語り、パリのアーカイブ「La Galerie Dior」を参照しながらメニューを構想したという。
コースはアミューズから印象的だ。コンテチーズとホワイトセロリを合わせたタルトは、濃厚なうまみにナッツのような香ばしさが重なり、セロリの清涼感が余韻を引き締める。ピスタチオのタルトレットは、エストラゴン香るクリームにたまり醤油や米酢を合わせ、甘味と塩味が共存する一品となっている。
続く「レトワール ドゥ メール(L'Etoile de Mer)」はウニのババロアで、クリスチャン・ディオールが愛したグランヴィルのビーチを彷彿とさせる「ヒトデ」がモチーフになっている。そば茶のほのかな香ばしさに加え、トッピングされたミカンの酸味が全体に軽やかなリズムを与える。ディルの花や抹茶、ワサビが入ったキンレンカのクーリが添えられ、庭園を表現。フレンチと和食が見事に融合した一皿だ。
「レ ベルランゴ レオパード(Les Berlingots Léopard)」は、ピックのシグネチャーディッシュであるベルランゴ(ラビオリ)をベースにした一皿。熟成コンテチーズを詰めたラビオリは優しく崩れ、濃厚なチーズのうまみが広がる。ソースにはワサビやワイルドセロリ、レモンを使っており、力強さと清涼感が共存している。遊び心のあるレオパードプリントをまとったラビオリが目を引く。
「ル カレ(Le Carré)」は、ポロネギのジュレの上にあぶりサバとキャビアを絵画のように配した構成。抹茶とシェリービネガーを合わせたサバイヨンソースに、だしのうまみをきかせており、さまざまな酸味が複雑な味わいを織り成す。料理の中では最も和食に近い一皿で、ビーズのようにちりばめられたキャビアと、シソの花が繊細なアクセントを添える。
デザートの「ル ミルフィーユ ブラン ピエドプール(Le Millefeville Blanc Pied-de-poule)」は、「千鳥格子」模様が描かれた白いミルフィーユ。7層の生地にジャスミン風味のゼリーやブラックペッパーを挟み、バニラクリームで包み込んだ。見た目の重厚さとは対照的に、軽やかな口当たりが印象的だ。
ドリンクはフランスのシャンパーニュやワインに加え、日本酒や玄米茶を用いたモクテル、煎茶なども揃う。食器やグラスにはブランドを象徴する格子柄「カナージュ」のモチーフがあしらわれ、空間全体がメゾンの美意識で統一されている。
そのほか、明るい色調で彩られた空間では、花柄のモチーフが施されたアームチェアや、ホルヘ・ガリンド(Jorge Galindo)の絵画で彩られたプライベートルームを設置。カリーヌ・ラヴァル(Karine Laval)のインスタレーションなど、アート作品も点在する。
美食とクチュールが交差する空間で、DIORの世界観を五感で体験できる同レストラン。日常を離れ、まるで旅先を訪れたかのような特別な時間が過ごせる一軒だ。
関連記事
Discover Time Out original video