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約150のパビリオン、ステーション、展示スペースが8つのゾーンに点在し、2キロメートルの周長を誇る「大屋根リング」で結ばれた「2025年国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)。ここでは探検すべきものが膨大にある。しかし、大阪・関西万博はそれだけではない。恒久的な施設に加え、毎月、多くの期間限定イベントが開催されているのだ。
ここでは、8月に開催される期間限定のイベントを厳選して紹介したい。
1. 月面重力体験

月の重力は地球の6分の1であるため、月面ではあらゆる動きが地球とは全く異なる感覚になる。その感覚の違いを実際に体験できるのが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の常設展示ブースにあるユニークなアトラクション「月面重力体験」だ。
特別に作成された没入型空間では、月面風景が巨大な曲面上のLEDスクリーンに投影される。投げたり、跳ねたり、持ち上げたりする動作を行うと、宇宙飛行士のアバターによってスクリーン上に動作が反映され、月面の重力下ではどのように変化するかが体験できる。
ジャンプの高さや投げの距離は、実際の月面での状態反映するように調整されている。実際の測定データやスポーツの世界記録と比較すれば、地球と月の重力差についてより深く理解できるだろう。
この体験型展示は、複雑な物理学をより楽しく、直感的に、興味深い学習体験に変えていく。また、あらゆる年齢層と身体能力を持つ参加者に加え、車椅子利用者を含む全ての人を対象に設計。これまでは土・日曜・祝日限定で実施されていたが、この夏は2025年8月31日(日)まで毎日開催しているので、詳細は常設展示のXを確認してほしい。
2. 晴れ風 ACTION 特別共催 未来につなぐ希望の花火

「Japan Fireworks Expo」では、大阪・関西万博で定期的に展示会を開催し、日本の最も象徴的な花火大会の一部を紹介している。8月のイベントは、今年中止されたものに新たな活路を見いだすだけでなく、日本の伝統的な夏の文化を守る重要性を啓発する役割を果たし、これまでで最も特別なものとなるだろう。
キリンビールが日本の花火文化の支援と保存を目的として設立した「晴れ風ACTION」と共同で開催されるイベント「晴れ風 ACTION 特別共催 未来につなぐ希望の花火」では、今年中止された花火大会で打ち上げられる予定だった花火玉を集め、8月23日(土)に一夜限りのショーとして打ち上げる。中止となった大会には、1948年から続く兵庫県の「猪名川花火大会」や福島県の「双葉花火」、大阪の「高石シーサイドフェスティバル」などが含まれている。
同イベントは、全国の花火大会主催者が直面する存続の危機に対する認識を高め、無形文化遺産である花火大会を保存するために啓発していくことを目的としている。公式な開始時間はまだ発表されていないが、花火は日没直後の見込みだ。
3. リバティ150周年記念展覧会「I Am. We Are. Liberty.」

イギリスで最も象徴的なブランドの一つである「リバティ(Liberty)」は、豊かで鮮やかなデザインで知られ、デビッド・ボウイ(David Bowie)やビートルズなど、世界的な著名人に愛用されてきた。同ブランドは今年創業150周年を迎え、「イギリス館」で記念展覧会「I Am. We Are. Liberty」を開催。著名な美術史家のエスター・コーエン(Esther Cohen)がキュレーションを担当する。
本展では、ブランドの多様なアーカイブから、えりすぐりの300点を超える貴重なアート作品やテキスタイルデザイン、パターンブック、デザイン資料を紹介。さらに、日本がブランドのクリエーティブ哲学に与えた影響や、日本の美学を反映したデザインの数々を間近で鑑賞できる。
また、限定販売のリバティプリントのスカーフのほか、京都の老舗丹後ちりめん製造会社、丸仙との協働による限定風呂敷も販売される。ファンは見逃せないだろう。
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