やまつ辻田
画像提供:やまつ辻田
画像提供:やまつ辻田

日本食に深く没入するための3Steps

素材・香り・料理道具の奥深い世界へ

Genya Aoki
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「大阪の食」といえば、たこ焼き、お好み焼きといった「粉もん」を思い浮かべるかもしれない。 しかし、この街にはもう一つの顔がある。それは、派手さとは対極にある、深く、豊かで、 人間味あふれる食の世界。その扉を開けるための 3つのステップを紹介しよう。

1. 素材のストーリーを辿る。

平野ファーム
画像提供:平野ファーム

大阪の食文化は、多彩な地元野菜に支えられている。 住宅街にある「平野ファーム」が守り育てるのは、百年以上前から続く「なに わの伝統野菜」。「吹田くわい」「毛馬胡瓜(けまきゅうり)」など第二次大戦後、一度は姿を消した品種を復活させたものもある。それはこの土地ならではの旬と風土を味 わう文化を取り戻す試みだ。

カタシモワイナリー
画像提供:カタシモワイナリー

近年では地元の酒と食を合わせる動きも強まっている。聖武天皇の頃からの伝承があるブドウづくりの系譜を継ぐ東大阪の「カタシモワイナリー」 のワインなど、この土地ならではのマリアージュを堪能したい。

2. 香りの個性を探求する。

やまつ辻田
画像提供:やまつ辻田

日本料理において香辛料は、味を支配するのではなく、主役の風味を際立たせるためのものだ。その哲学を堺市で体現するのが、1902年創業の「やまつ辻田」。4代目店主の辻田浩之は「和のスパイスの伝道師」の異名を持つ。

日本唯一の鷹(たか)の爪純系品種『堺鷹の爪』や、石臼で引いた希少な山朝倉山椒など、100 年 以上守り続ける伝統の味は、料理の輪郭を鮮やかに描き出す。封を開けた瞬間に脳髄を駆け抜ける鮮烈な香り。それは「UMAMI」の次に世界が注目する日本の「KAORI(香り)」の可能性。一度体験すれば忘れられない、新たな感覚の扉を開く鍵となるだろう。

3. 一流の料理道具を知る。

馬場刃物製作所
画像提供:馬場刃物製作所

刃の入れ方一つで、料理の味の輪郭は決まる。だからこそ食の探求には、まず一流の道具を知ることが大切なのだ。600年の歴史を持つ「堺の包丁」 には、作り手の魂が宿る。

ガストロノミー「La Cime」のシェフである高田裕介が信頼を寄せる「馬場刃物製作所」は、刃付と伝統工芸士による漆ハンドルという分業制で、美しさと強靭(きょうじん)さを両立。一本の包丁は、受け継がれてきた歴史、職人の哲学、そして料理人の感性をつなぐ架け橋なのである。

料理道具の世界をもっと探るなら……

  • ショッピング

東京の道具街といえば、「かっぱ橋道具街」が知られているが、それより古い歴史を有するといわれるのが、大阪ミナミの「千日前道具屋筋商店街」だ。全長約150メートルのアーケード商店街には、料理道具の専門店がずらり。飲食店を始めるなら道具筋へ、と厨房品が何でも揃う場所として知られている。日本の丁寧な手仕事の評価は高く、近年では外国人観光客の姿も目立つようになった。

ここでは刃物から食品サンプル、プロが通う料理書を中心に扱う書店まで、道具筋の専門店を6つ紹介する。料理道具は手入れを怠らなければ、末永く使える。一生ものとの出合いを求めて出かけてみては。

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