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御堂筋線淀屋橋駅から地上に出ると、川と空の間にミントグリーンのかわいいキャラクターが浮かんでいた。今、密かな人気を集めている「We TAIWAN 台湾文化 in 大阪・関西万博」(以降「We TAIWAN」)のマスコットキャラクターことa-We(アウィー)のバルーンだ。一体何をしているのだろうか。

現在、中之島公園にリアルな台湾カルチャーが集結しているのである。日本最大級の台湾カルチャーフェス「TAIWAN PLUS 2025 日台新風」と中華民国(台湾)文化部らが主催する台湾文化発信イベント「We TAIWAN」が同時開催されている。

2018年に東京・上野でスタートした「TAIWAN PLUS」は、台湾のリアルな食・クリエーティブ・デザインなどが体感できるカルチャーイベントだ。昨年、京都で開催された際は約80の飲食・物販ブースが出店し、2日間で58,000人を動員。大阪での開催は今回が初で、「We TAIWAN」と連動する形で、8月9日(土)〜10日(日)と16日(土)〜17日(日)と2週にわたって実施されている。

集まった100の台湾ブランドは、古き良き文化を継承していると新進気鋭のアーティストやクリエーターを取り揃えた。エリアも台北、台南、離島など幅広い文化背景が楽しめる。グルメ、工芸、デザイン、雑貨、文創、アパレルから、DJや遊戯までアクティブな文化体験ができるのも楽しい。
9〜10日のweek1では48のブースが出店し、3万人を動員したというから、関西の台湾ラバーたちにとって待望の開催と言ってもよいだろう。week2は64ブースと1.5倍の規模なので、さらなる盛り上がりが予想される。
ここからは、16日の様子をフォトレポートしよう。初出店などをはじめ、オンラインなどで購入できるおすすめ商品なども紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

最も人が集っていたのは文化総会のブース。開場開始の1時間半前から行列ができはじめ、オープンする15時には500m程度の列を成していた。目当てはa-We(アウィー)グッズだった。

グルメのいち押しは、魯肉(ルーロー)飯の「五燈獎」だ。八角や五香粉を一切使用していないので、日本で食べ慣れている魯肉飯とは別物だ。具材は上質の豚の皮にこだわり、特製の甘辛いタレととろける食感が癖になる。パウチでも販売しており、「あべのハルカス」内にある「神農生活」でも販売している。

リサイクルクレヨンブランド「産房」は今回初参加だ。回収したクレヨンを再溶解した商品を展開。土や植物といった自然の色を組み合わせて一つのクレヨンにするほか、詩をパッケージに付与することで色と言葉が重なり合うものなど、SDGsとクリエーティブが融合したアイテムが並んでいた。

加速し続ける現代において、忘れられてしまう日常のささやかな風景や庶民的な日用品をスタンプにして、後世に残せる気軽な文化保存体験ができる「臺灣印事x 靄靄文化」ブースも、カルチャーとデザインの理想的な融合の一つだ。


台湾では縁起ものであり、日本とはどこか違う「赤色」に着目し、日常的な赤いアイテムを集めて展示販売しているのも面白い。ささやかだが、日常への眼差しが変わるパワーを秘めている。


また、会場に点在しているオブジェやDJブース「台湾音箱」のデザインは、クリエイティブユニットのYOU COが手がけた。

イベントは21時までで、20時には完売も目立ち、日中の盛況さがうかがえた。熊本県で開催された「台熊祭々」など日本各地で盛り上がりを見せる台湾カルチャー。独自の進化を遂げており、これからも新鮮な驚きとともに楽しめそうだ。
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