1. SSH No.03
    Photo: Kensuke Yamamoto
  2. SSH No.03
    Photo: Kensuke Yamamoto

建築設計はSANAAの西沢立衛、ホテル「ししいわハウス」の3棟目がオープン

連載企画「軽井沢は東京24区?」、第2回はSSH No.03を紹介

編集:
Genya Aoki
寄稿:
Kensuke Yamamoto
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タイムアウト東京 > トラベル > 建築設計はSANAAの西沢立衛、ホテル「ししいわハウス」の3棟目がオープン

東京駅から新幹線で1時間、昨今は移住者も増えている軽井沢。東京の延長線上で楽しめる、こなれたスポットを毎月紹介していこうと立ち上げた連載企画「軽井沢は東京24区?」。第1回は、中軽井沢の駅前で昼飲みできるブルワリー併設型タップルームを取り上げた。

SSH No.03
Photo: Kensuke Yamamoto

第2回は、軽井沢駅から車で20分ほどの星野エリアのすぐ北、千ヶ滝エリアにあるスモールラグジュアリーホテル「ししいわハウス」を紹介。「金沢21世紀美術館」などで知られる建築ユニット「SANAA」の西沢立衛が手がけた3棟目「SSH No.03」が2023年6月にオープンしたばかりだ。

さっそく宿泊してきたので、その魅力を伝えよう。

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2019年に1棟目が開業、2022年オープンした2棟目はともに著名建築家である坂茂が設計した。ちなみに西沢、坂の両名とも、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞の受賞者である。

「ししいわ」とは、このエリアの古い地名「獅子岩」が由来だ。その名の付いた大きな岩も、少し離れたところに実際に存在する。

館内には客室が11部屋。中庭を囲むように設置された縁側が、回廊のように部屋同士をつないでいる。

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エントランスでは、西沢がセレクトしたというピエール・ジャンヌレの椅子、トーネットのスツール、浮世絵が飾られた小さなロビースペースがゲストを出迎える。ヒノキがふんだんに使用されたこの空間は木の香りに包まれて、自然の中にいる感覚が一層強まる。

今回宿泊したのは、和室のスイートタイプ。最大で大人3人まで宿泊でき、窓からのぞく緑の景色が美しい。ちゃぶ台を囲むスタイルが外国人にも好評とのこと。

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洋室タイプの部屋には、インテリアに無塗装のヒノキが全面に使われており、木の優しい香りが感じられる空間。マットレスもしっかりと厚みがあり、寝心地が良い。

各部屋にもヒノキ風呂が付いているが、せっかくなら貸し切り風呂を利用したい。広々としたヒノキの浴槽で、緑に囲まれてのんびりとリラックスできる。

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ディナーは、SSH No.03から徒歩数分のところにある、坂設計のSSH No.02のダイニング「SHOLA」で提供。緑に囲まれたスロープをゆっくりと2階へ上る。軽井沢の自然と静寂を感じるひとときだ。

陽が落ちた後は、間接照明で幻想的にライトアップされるメインダイニングで、エグゼクティブシェフの岡本将士が手がける地元の食材を生かしたコースを堪能しよう。食後は併設されたシガーバーで、シガーをたしなみながらウイスキーのテイスティングコースなどのオプションもいいだろう。

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岡本のスペシャリテは、ヒノキでいぶした「銀の鴨」。近隣にはえているモミなどの香りもいぶされていて、ここでも軽井沢らしさが楽しめる。

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朝は、鳥の鳴き声を聴きながら目覚めよう。朝食は、米や豆腐、卵、野菜など、地元の食材をメインに構成されたメニュー。天気が良ければ、朝食の前後に近所の森までトレッキングに足を延ばすのもおすすめだ。

ゲストの数が限られていることもあり、ここ「ししいわハウス」では軽井沢に暮らすような感覚で滞在ができる。この夏のリフレッシュは、軽井沢の同ホテルを選択肢に加えてみては。

予約は公式ウェブサイトで受け付けている。

執筆者プロフィール

山本憲資

Sumally Founder&CEO

1981年生まれ、神戸出身。 広告代理店・雑誌編集者を経て、Sumallyを設立。 スマートフォン収納サービス「サマリーポケット」も好評。 2020年夏から軽井沢に拠点を移し、スマートリモートライフを実践している。音楽、食、舞台、アートなどへの興味が強く、週末には何かしらのインプットを求めて全国各地を飛び回る日々を過ごす。

もっと軽井沢を知りたいなら……

  • アート

東京の銀座8丁目にある建築『中銀カプセルタワービル』を知っている人は多いだろう。箱の形をしたカプセルを積み重ねたような外観の建物は、黒川紀章による設計で1972年に完成した。建築や都市に成長と変化を取り込むことをもくろんだ「メタボリズム」という運動を代表する建築とされる。 日本のみならず世界中の人々から関心をもたれていて、新型コロナウイルスが広まる以前までは、建築の前でカメラを持った外国人観光客の姿を多く見かけたものだ。

その有名建築の影に隠れ、もう一つのカプセル建築が翌年に完成していた。黒川が自らの別荘として建てた『CAPSULE HOUSE-K』だ。この別荘が宿泊施設として公開されることになったと聞いて、オーナーである黒川未来夫(くろかわ・みきお)に見学させてもらった。未来夫はMIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIOの代表取締役で、黒川の息子に当たる。

この建物はもともと黒川の設計事務所が所有していたが、事務所の民事再生に際して別の所有者に移った。それを未来夫が修復と保全のために買い取ったのだ。

  • トラベル

都心からもアクセスしやすい自然豊かな軽井沢は、日本屈指の高原リゾートタウンだ。東京駅から新幹線に乗れば約70分ほどで着くことができ、ぶらり旅にもぴったり。夏はゴルフやハイキング、秋には色とりどりの紅葉、冬はスキーやアイススケートなど、年間を通してさまざまなアクティビティを楽しめる。

軽井沢が避暑地として栄えたのは明治時代のこと。当時は東京から暑さを逃れてきた外国人宣教師やその家族が多く移り住む、国際的な雰囲気だったという。その後は日本人富裕層のリゾート地として繁栄し、今でも街には美しい洋館や教会など、当時の面影を感じられる建物も多く残る。

ここでは、グルメや最新リゾート施設など常に注目が集まる軽井沢の魅力を紹介する。

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  • トラベル

避暑地として有名な軽井沢には、実は春夏以外にも楽しめる場所がたくさんある。ここでは、雪見温泉やスケートリンク、滝のライトアップやイルミネーション、冬の巣ごもりにもぴったりな雑貨店など、冬にこそ行きたいさまざまなヴェニューを紹介する。

  • トラベル

明治時代から栄えた歴史ある避暑地の軽井沢。ハイエンドなイメージだが、気軽に、しかも質のいい、まさにコスとパフォーマンスに優れた穴場的スポットもある。目利きの別荘族も毎週通うジェラートやリカーショップ、あの高級リゾートの新形態のホテルなど、話題のスポットもたくさん。今回は駅や旧軽井沢の中心地からアクセス抜群の、車でなくても行きやすい、今、通うべき軽井沢を案内する。

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