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Photo: Kisa Toyoshima
Photo: Kisa Toyoshima

大阪、古墳スポット8選

世界最大級の古墳から中に入れる古墳、古墳アイスの店まで紹介

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タイムアウト大阪 > Things to Do> 大阪、古墳スポット8選

2019年、「百舌鳥・古市古墳群」が大阪初の世界遺産に登録された。古墳は全国に残されているが、世界最大級の陵墓「大山古墳(伝仁徳天皇陵古墳)」をはじめ、大阪には巨大古墳が多く見られる。

同古墳が建設された当時、大阪湾は朝鮮半島や日本の他所に暮らす人々にとってヤマトに至る玄関口であり、ヤマト政権の権力の大きさを誇示するために建設されたといわれている。大阪の古墳は日本のメインストリームの歴史に結びつき、古墳マニアにとってより特別な存在といえるだろう。

しかし、この土地は古墳に入門するにもうってつけであり、古墳をよく知らない人にも楽しくその魅力をひもといてくれる場所がある。ここでは、「百舌鳥・古市古墳群」を中心に、古墳を歩いたり、古墳の中に入ったり、「古墳スイーツ」「オリジナルの埴輪(はにわ)作り」など、さまざまな角度から古墳に触れられるスポットを紹介する。

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  • Things to do

日本最大の前方後円墳。「クフ王のピラミッド」「秦の始皇帝陵」とともに世界3大墳墓とされ、大阪で初めて世界遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」の一つでもある。

大仙公園側には拝所も設けられており、より近くで「仁徳天皇陵古墳」を感じたい人はこちらを訪れるのがおすすめ。しかしながら、最大長840メートル、最大幅は654メートル(いずれも壕を含む)という大きさなので、その全容を見ることは難しい。この大きさを自分の目で確かめたいという人は、「堺市役所」の21階にある展望ロビー(入場無料)から広大な仁徳天皇陵古墳を眺めてみるのがいいだろう。

古墳時代は、この一帯に100基を超える古墳が造られていたと伝わる堺市エリア。時代の変化に伴いその多くが失われてしまったが、4世紀後半から6世紀前半に造られた古墳を中心に、今でも44基が残っているというのはとても貴重だ。仁徳天皇陵古墳を堪能した後は、ぜひ周囲の古墳も巡ってみてほしい。

  • カフェ・喫茶店

世界文化遺産に登録され、日本最大の前方後円墳としても知られる「仁徳天皇陵古墳」の近くにあるカフェ。ここ堺市は千利休の生まれ故郷でもあることから「抹茶」を一つのテーマとしており、抹茶を使ったスイーツを豊富に揃えるほか、カフェでは珍しく「お抹茶」も楽しむこともできる。

さらに目を引くのが、「仁徳天皇陵古墳」をイメージしたというオリジナルの器だ。バニラアイスや小豆、白玉が入った「古墳アイス」や抹茶そばなどのランチメニューが、古墳型の器で提供される。

また、夏季やゴールデンウィーク限定で、「Co.FUNかき氷」が登場。ふわふわの氷の上にたっぷりと乗った「抹茶エスプーマ」は甘さ控えめで、食後でもペロリと食べられてしまう味わいだ。

テラス席は、愛犬と一緒に過ごせるという点もうれしいポイントである。

なおランチタイムは11時30分から14時、カフェタイムは14時から17時30分までとなっている。訪れた際は、店の入り口付近で販売している古墳や埴輪(はにわ)グッズも必見。臨時休業の場合もあるので、事前にInstagramで営業状況をチェックしておこう。

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  • ミュージアム
  • 歴史

「大仙公園」内にある博物館。市制90周年記念事業として1980年に開館した施設で、堺市の歴史や美術、考古、民俗に関する多くの資料を収集、保存、展示している。

2021年のリニューアル時には、古代展示エリアを一新。世界遺産に登録された各古墳の紹介ゾーンを設けたり、「仁徳天皇陵古墳」から発見されたという石棺(せっかん)や石槨(せっかく)、馬形埴輪(はにわ)を再現して展示したりと、より古墳というものを近い距離で学べる空間となった。

「堺市博物館」には一部無料で入れるコーナーがあり、「百舌鳥古墳群シアター」もその一つ。ここでは2つのVR作品が入れ替わりで上映されており、仁徳天皇陵古墳をはじめとした「百舌鳥古墳群」の雄大さを体感することができる。

訪れた際は、ミュージアムショップへ立ち寄ることも忘れずに。中でも、堺市博物館公式キャラクター「サカイタケルくん」グッズは必見だ。ちなみに、サカイタケルくんの生みの親は堺ゆかりの彫刻家・籔内佐斗司で、奈良県の公式マスコットキャラクター「せんとくん」を手がけたことでも知られている。

特別展の観覧料は金額が異なるので、詳しくは公式ウェブサイトを確認してほしい。

  • Things to do

羽曳野市のほぼ中央に築かれた、古墳時代中期の大型前方後円墳「白鳥陵古墳」。ヤマトタケルの陵墓ともいわれ、亡くなった後白鳥になったヤマトタケルが飛来し、羽を曳くように飛び去ったという日本書紀の伝承から、羽曳野市の名前の由来となった古墳でもある。前方部の幅が後円部の直径を上回ることと、前方部の方が高さが3メートル高いのが特徴だ。

周辺は、羽曳野市から藤井寺市にかけて東西に4キロメートル、南北4キロメートルに100基以上の古墳があり、「古市古墳群」と称される。なぜこの地域に古墳が集中したのか、今から約1500年前に思いを馳せながら巡るのもいいかもしれない。

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  • アトラクション
  • 歴史的な建物&史跡

世界遺産を構成する「古市古墳群」の中で、最古の4世紀後半に建造された「津堂城山(つどうしろやま)古墳」。墳丘の長さが210メートルに及ぶ巨大な古墳で、それまで奈良盆地を出ることがなかったヤマト政権の古墳が、初めて大阪に進出した画期を成す古墳と考えられている。

室町時代には城が築かれたが、16世紀に廃城と化した。1912年に後円部頂上で、国内最大級の「長持型石棺(ながもちがたせっかん)」が発見され、後円部の一部のみ「藤井寺陵墓参考地」として宮内庁の管轄となった。

国の史跡ではあるが、築城時に一部が掘削され、被葬者は特定されていないこともあり、天皇陵としての位置づけではなく公園として管理されている。季節によって花ショウブやコスモスの花が咲き、市民の憩いの場として親しまれている。陵墓参考地を除き、広大な古墳を自由に歩き回り、くつろげる希少な古墳スポットだ。

  • Things to do

古墳時代、多くの埴輪(はにわ)が作られていたという大阪府羽曳野市誉田エリアで、古墳や埴輪の魅力をさまざまな角度から発信する施設。3フロアで構成される施設内にはショップやギャラリー、ワークショップエリアなどが入居する。

中でも注目は、10時〜11時30分、13時30分〜15時の1日2回、地下1階で行われている「埴輪づくり体験」。粘土遊び感覚で自分だけのオリジナル埴輪が作れるというワークショップで、小さな子どもでも楽しめる内容となっている。

体験料金は1人2,860円(以下全て税込み、子どもも同料金)で、所要時間は1時間30分程度。もし、指定の時間だと都合が合わない場合は施設に電話で相談をしてみよう。タイミングによっては、柔軟に対応してもらえる。

ショップでは、古墳や埴輪をモチーフにした文房具や雑貨などを販売。クスッとしてしまう愛らしいデザインはもちろんのこと、実用性も考えられたアイテムが多いので「新・大阪土産」としてプレゼントするのも喜ばれそうだ。

古墳好きであれば、勾玉の形をしたおかずや前方後円墳型の白飯、古墳時代から食べられていたというブリなどで構成された「はにわ弁当」(1,980円、3日前までに事前予約)も必食である。

不定休のため、訪れる際は公式ウェブサイトInstagramをはじめとした各種SNSで事前に営業状況を確認しておこう。

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  • Things to do

淀川流域最大級の前方後円墳で、6世紀前半に造られた継体天皇(聖徳太子の曽祖父)の真の陵墓とされる「今城塚古墳」。1958年に国指定史跡となり、日本で唯一、一般人も立ち入れる大王墓である。

家や人物、動物などの形象埴輪(はにわ)が約200点並ぶ姿は圧巻で、日本で最大の「埴輪祭祀場」を再現している。隣接する「今城塚古代歴史館」では、古墳時代の歴史や文化が学べ、埴輪や勾玉(まがたま)作りなどの体験も楽しみたい。

  • ミュージアム

大阪府南部の「近つ飛鳥」周辺は、「聖徳太子墓」や天皇の墓である「天皇陵」など日本屈指の古墳群が連なる地域。このエリアにおける古墳文化の保存と研究を担うのが「近つ飛鳥博物館」だ。世界でも名高い安藤忠雄が設計を手がけ、「平成の古墳」をモチーフとした同館では、まるで古墳の内部にいるかのようなドキドキ感が味わえるだろう。

ここでは、古墳時代から飛鳥時代を中心にさまざまな展示やイベントを実施している。埴輪(はにわ)や土器の出土品、石棺の模型などが並ぶ常設展示から、古代への思いをはせたい。ショップでは、「古代の巫女キューピー」といったオリジナルグッズを手に入れよう。古墳を模したパフェやかき氷などのユニークなメニューを頬張るのも楽しい。

隣接する「近つ飛鳥風土記の丘」は、古墳に触れ合える貴重な史跡公園だ。29万平方メートルの広大な敷地で、40基の古墳が見学できる。運動がてらに古墳巡りをしてみては。

大阪滞在をもっと楽しむなら……

  • アート

旅行に欠かせない現地のアート情報。ここでは、一度は行くべき大阪のミュージアムを厳選して紹介したい。

一度見たら忘れられない外観の「国立国際美術館」や、建築家の安藤忠雄が設計を手がけた文化施設「VS.(ヴイエス)」遊べて学べる体験型施設の「ダスキンミュージアム」など、定番の大型美術館から、さまざまな専門のミュージアム、新たなアートスポットまで、多彩なミュージアムをセレクト。大阪旅行の参考にしてほしい。 

  • ショッピング
  • 書店

昔からある街の書店が消えていくニュースは、大阪をはじめ各地から聞こえてくる。他方、チェーン店ではない独立書店が生まれ、工夫を凝らしながら「書店」という文化を守るべく奮闘している。

従来と異なるのは、古本と新刊のほかリトルプレスや同人誌を扱ったり、独自の視点で新刊を取り寄せたりして、棚が個性的であること。ギャラリーやカフェを併設してイベントを行い、古民家を改装するなど空間演出にも長けた店もある。また、「ボヤージュ キッズ」のようにZINE(ジン)を販売するスポットが増えているのも、書店の新たな形といえる。

ここでは、大阪の独立書店を5店紹介する。書店は、未知なる世界へ開けたワンダーランドだ。アートに小説、ノンフィクション、絵本など、新たな出合いを楽しんでほしい。

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  • ショッピング

商売の街といわれる大阪は日本有数のショッピング街を擁し、市内には460もの商店街を数える。ハイブランドの店が並ぶ心斎橋筋から、古着やレコード店が点在するアメリカ村、専門店が連なる千日前道具屋筋商店街まで、街を歩けば、多様なショッピング体験が待っている。

ここでは、個店を中心に厳選して10のショップを紹介。ユーモアにあふれる発見や、新鮮な驚きが待っているだろう。好奇心の赴くまま、ディープな世界を探ってみてほしい。

かつてジャズ喫茶なるものを生み出したこの日本で、レコードバーの出現は必然だったかもしれない。近年は外国人観光客にも人気を広げ、彼らに人気の店も多い。

ここでは大阪に点在する、レコードバー5店をピックアップする。デジタル音源とは異なる、レコードが持つ音の温かみや厚みはもはや説明不要だろう。レコードバーでは、店主こだわりの音響機材で、ジャズにソウル、ラテン、J-POPなどから、選りすぐりの1曲を聞かせてくれる。

そして、うまい酒がそこにあれば、もう言葉はいらない。客と店主と音楽が作り出す一期一会のひとときを求めて、レコードバーに繰り出してみては。

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  • 音楽

大阪のクラブカルチャーを一言で表すなら、熱量。それぞれのクラブがメインとするジャンルはもちろんあるが、ボーダーを超えて、その場にいる人たちが「最高の夜」にすべく、流れる音楽を本気で楽しみながら踊る姿勢が魅力的だ。

かつて、クラブではなく「ディスコ」と呼ばれることが多かった時代、洋楽がメインで、邦楽が流れることはあまりなかった。そんな中で1970年代、大阪のディスコでDJが「BOMBER」を流したことが山下達郎のブレイクのきっかけとなったように、当時から今でも、いいと思ったものを伝え続ける姿勢が大阪のクラブシーンには根付いているのかもしれない。

本記事では、来日アーティストもしばしば登場する大阪屈指の「大箱」や、DIYで造られたこだわりの空間が広がるクラブ、アンダーグラウンドシーンを支え続けるヴェニューなどを5つ紹介する。「クラブ入門」にもぴったりの場所ばかり。ぜひ訪れてみてほしい。

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