今でこそ大阪で「うまいバーガー」を見つけるのは難しくない。しかし、栗田研二朗が2008年にフードトラックでビーフバーガーを焼き始めた当時は、事情が全く違っていた。
2025年は、ウィリー・モンロイ(Willy Monroy)にとってまさに記念すべき一年となった。メキシコ・コリマ州出身の彼は、まず「タイムアウトマーケット大阪(Time Out Market Osaka)」に「覇王樹 タケリア」をオープンし、極上のタコスを届けた。その後間もなく、彼の堀江にあるメキシカンファインダイニング「ミルパ(milpa)」が、メキシコ料理で日本初のミシュランの星を獲得するという快挙を成し遂げたのだ。
その栄誉にふさわしく、モンロイは先住民の食材と伝統的な調理法を土台に、日本のエッセンスを巧みに取り入れながら、モダンメキシカンを独自のスタイルで磨き上げてきた。かつて「ノーマ 京都(Noma Kyoto)」で腕を振るった経験も持つ彼は、食文化の境界を軽やかに越え、母国メキシコ料理が持つ豊かな歴史や地域ごとの個性を、緻密な技と洗練された感性で巧みに表現している。そのアプローチは、大阪の食文化にも自然に溶け込むほど見事だ。
では、ブルーコーントルティーヤに日本のハーブや大阪の海の幸を合わせる革新的な料理で多忙なモンロイが、オフの日に好んで食べに行くのはどんな店なのか。今回は、そんな彼にお気に入りの立ち飲みバーや食材店、朝の過ごし方などについて聞いてみた。
ー休日の朝食はどこに行きますか?
自然を感じられる場所で一日を始めると、心が落ち着きます。例えば、「靱公園」の近くにあるカフェによく行きますね。
ー朝のコーヒーは外で飲みますか?
いえ、自分で淹れるコーヒーが一番です。
ーランチを手早く済ませたい時は、どこに行きますか?
難波の「豚足のかどや」ですね。長年にわたり本物の味を貫いてきた、豚料理尽くしのアットホームな名店なんです。
ー新鮮な食材はどこで手に入れますか?
「ビッグビーンズ(BIG BEANS)」へよく行きます。高品質で新鮮な食材が豊富に揃っているので。
ー調理器具はどこで買いますか?
道具街として知られる「千日前道具屋筋商店街」は外せないですね。包丁から食器まで、料理に必要なものは何でも揃います。
ー自宅に常備している食材や調味料はありますか?
家ではあまり料理をしませんが、チリペッパーだけは常にストックしています。
ー仕事終わりの一杯は?
いつだってハイボールですね。
ーふらっと立ち寄れるお気に入りのバーはありますか?
立ち飲みバーが大好きです。淀屋橋の「ヒロカワテーラー」や、北浜の「ヤチポチ(yacipoci)」がお気に入り。先ほど話した「豚足のかどや」も含めて、友人が大阪に来たときは必ず案内しています。本当の大阪を味わうなら、ぜひ訪れてみてください。
もちろんタイムアウトマーケット大阪で、覇王樹 タケリアのチェックも忘れないでほしい。







