吉野寿司
Photo: Kunihiro Fukumori
Photo: Kunihiro Fukumori

大阪、カジュアル寿司5選

にぎりにバッテラ、箱寿司と大阪寿司をリーズナブルにつまむ

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今でこそ寿司といえば、握り寿司を思い浮かべるが、関西では江戸前寿司より古くから、押し寿司が親しまれてきた。なれずしの発展系である押し寿司は保存食でもあり、しゃりも甘みが強めでまろやかな味わいが特徴。江戸時代には、「吉野寿司」が見た目も麗しい「箱寿司」を誕生させた。

ここでは料金も手頃に、にぎり寿司をはじめバッテラなどの押し寿司を気軽に楽しめる寿司店を紹介する。押し寿司はテイクアウトもできるので、店内で食べる時間がないときでも店の味を堪能できる。江戸前寿司とはまたひと味違う、大阪の寿司をぜひ試してほしい。

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  • 寿司

梅田の地下街「ホワイティうめだ」にある大阪寿司店。本店は1953年、大阪市旭区にオープンした「福すし 大宮総本店」で、ホワイティうめだでの営業は、前身の「梅田地下センター」が開業した1963年から続けている。長年常連客とともに育んできたカウンターの老朽化をきっかけに、2020年には改装が行われ、若い層やテイクアウト客も利用しやすくなった。

提供するのは箱寿司、巻き寿司、バッテラなどの大阪寿司のほか、旬の魚介を使った握りなど。内装は変えても、店主自ら「福島中央市場」で毎日欠かさず早朝からの仕入れを行い、間違いのないものを提供する仕事への実直さは変わらない。

ホワイティうめだの中でも人通りが多い場所にあるが、のれんを潜ると喧騒(けんそう)から解放され、落ち着いて寿司を堪能できる。遠方の人が、来阪の際に訪れることが多いというのも納得だ。

大阪中央卸売市場に拠点を置く、1910年創業の鮮魚卸業「播芳」が直営する食堂。いわく「日本人が『魚離れ』しているといわれて久しい。日本には世界でも類稀な豊富な魚種を誇り、豊かな食文化を育んできました。日本で捕れた魚の魅力を知り、最も身近に感じてもらえる場所を提供したい」と、市場からも近く、電車移動からのアクセスもいい西九条駅の高架下に同店をオープンした。

「世代を問わず入りやすくしたくて、ファミリーレストランをイメージしました」という店内は、明るく飾らない雰囲気。ランチタイムは旬の鮮魚10種以上を豪快に盛りつけた「市場丼(松)」(1,480円、以下全て税込み)がメインで、ディナータイムは刺し身や寿司、魚介の一品料理など居酒屋としても楽しめる。

「自分たちは料理人ではないけれど、魚という素材を扱うプロとして目利きは誰にも負けない自負があります。産地やブランド名にこだわるのではなく、あくまで『今日、全国で揚がったおいしいものを』ということを大切に、日替わりでおすすめの鮮魚をピックアップしています」と、五代目社長は話す。

旬のおいしい魚にこだわるため、固定メニューはない。オーナー自らが市場の仕入れを見て、毎日メニュー表を書き換え、海鮮丼に使われるネタもその時々で変化する。時には有名料亭に卸される高級魚や、レアな魚が登場することもあるが、卸だからこそのリーズナブルな価格帯で味わえるのがうれしい。

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  • 寿司

富田林西口駅前にある、地域で愛される寿司店。「にぎり寿司」や「お造り」はもちろんのこと、一品料理や揚げ物も充実し、夜は居酒屋のような利用もできる。

ランチタイムには「ちらし寿司定食」(890円)や「寿司盛り定食」(890円)、「鉄火丼定食」(940円)、「助六定食」(700円)など、財布に優しい「お昼の定食」を提供。いずれにもミニうどん(夏季は冷やしそうめんに変更)と日替わりの一品料理がセットで付いてくる大満足の内容だ。

また、富田林市の名産品「海老芋」をたっぷりと使った「富田林コロッケ」も忘れずに。規格外の海老芋を用いたコロッケは、海老芋ならではのねっとりとした食感が印象的。フレーバーは「プレーン」「チーズ」「カレー」の3種類を用意し、テイクアウトもできるので、コロッケを片手に街歩きを楽しんでみるのもいいだろう。

臨時休業の場合もあるので、営業状況をチェックしてから訪れるのがおすすめだ。

大阪寿司の代名詞的一軒として知られ「箱寿司」発祥の地として畏敬される本町の老舗。創業1841年、170年を超える歴史を誇る。オフィス街の一等地で、ビル風になびく趣あるのれんをくぐる客は後を絶たない。

7代目となる店主、橋本卓児は大阪寿司の魅力をこう語る。「それは時間をかけた下仕事の芸術であるということです。タイは塩締めし1日寝かせてうま味を引き出す。シイタケは5時間ゆっくりと炊いた後、1日寝かせて味を馴染ませる。そんな無数の手間と、長い時間が小さな箱に凝縮されているのです」

名物である「箱寿司」(10切1人前3,197円)は、 戦前から継ぎ足されてきたたれで焼く「活け穴子」、瀬戸内の小鯛(こだい)、厚焼き卵、エビ、シイタケ、焼きのりなどを木枠の箱に入れて押した寿司。心華やぐ色鮮やかさに加え、かみしめるごとに寿司飯とネタが口で一体化し、深々と響くうま味は、まさに歴史に磨かれた至高の名人芸のたまものである。

難波、新大阪の支店も含め、テイクアウトスタイルで営業している。「箱寿司」のほか、「棒寿司」(タイ、サバ、カニなど)、「蒸し寿司」といった多彩な大阪寿司の世界を楽しみたい。

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  • 寿司

いつ訪れても、おいしいものに目がない人々の活気にあふれ、今や「オモテ」をしのぐ勢いなのが「ウラなんば」と呼ばれるエリアだ。その中でも、かつてこの一帯に倉庫が立ち並んでいた本当の「裏」時代から続く人気店が「ときすし」である。

店へのアクセスは地図アプリを開くよりも、「なんばグランド花月」の裏から見える行列を目印にした方が早いかもしれない。 それもそのはず、ここは職人の握る本格的な寿司を1貫82円から楽しめる珍しい店なのだ。ランチメニューでは、にぎり寿司8貫に赤だしの味噌汁が付いた「ときときセット」が1,320円(以下全て税込み)。さらに、豪華さに思わずテンションが上がる限定10食の「海鮮バラちらし」でさえも1,320円なのだから、驚きが隠せない。

そうは言っても、単に安いというだけでは、グルメな大阪人の舌をここまでとりこにすることはできない。大阪・泉州にある泉佐野漁港から仕入れた魚介類をベースに、店主によって厳選された新鮮なネタで勝負しているからこそ、皆行列に並ぶのである。中には芸人たちの姿もチラホラ。いわく「東京に進出しはった方も、大阪に帰ってくると立ち寄ってくれます」という愛されっぷりだ。

なんばグランド花月を訪れる前、もしくは訪れた後にここで「大阪」を満喫してほしい。

大阪名物の粉もんを満喫するなら……

大阪名物といえば、やはりたこ焼きだろう。定番のソースやポン酢だけでなく、「オルタナティブ」と形容すべき、斬新なフレーバーも近年人気上昇中だ。

それぞれの店の個性が光るたこ焼き。ハシゴして食べ比べするのもいいかもしれない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得している老舗から、比較的近年オープンしたヴェニューまで紹介する。

大阪を代表する「粉もん」料理の一つ、「お好み焼き」。関西では家庭で食べられるものでもあるが、大阪のお好み焼きの店舗数は全国指折りを誇る。ジュウジュウとソースが焼ける音と香ばしい匂いに包まれ、わいわい言いながら一つのお好み焼きを分け合うのは、大阪らしいひとときだ。

ここでは、お好み焼きのルーツといわれる「一銭焼き」の店からグルテンフリーのお好み焼きを提供する店まで、厳選して5店を紹介する。本場の味をぜひ楽しんでほしい。

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大阪の食といえば、たこ焼きやお好み焼きの「粉もん」が知られているが、この街を代表する、もう一つのソウルフードがうどんだ。

江戸時代、「天下の台所」だった大阪には、北前船に乗って北海道からコンブが、鹿児島や土佐からカツオ節が運ばれ、だし文化が発展。うどんは庶民に愛されてきた。きつねうどんも大阪が発祥と伝えられる。

ここでは大阪に数あるうどん店の中でも、名の知られた老舗から、ツルっとしたのど越しの大阪うどんの人気店、こしの強いさぬきうどんの名店まで、8店を紹介する。ずるずるっと豪快にすすって、うどんとだし、具材の三位一体の味わいを楽しんでほしい。

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