釜たけうどん 新梅田食道街店
Photo: Aiko Miyake
Photo: Aiko Miyake

大阪、うどん8選

讃岐うどんの名店からきつねうどん発祥の店まで

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大阪の食といえば、たこ焼きやお好み焼きの「粉もん」が知られているが、この街を代表する、もう一つのソウルフードがうどんだ。

江戸時代、「天下の台所」だった大阪には、北前船に乗って北海道からコンブが、鹿児島や土佐からカツオ節が運ばれ、だし文化が発展。うどんは庶民に愛されてきた。きつねうどんも大阪が発祥と伝えられる。

ここでは大阪に数あるうどん店の中でも、名の知られた老舗から、ツルっとしたのど越しの大阪うどんの人気店、こしの強いさぬきうどんの名店まで、8店を紹介する。ずるずるっと豪快にすすって、うどんとだし、具材の三位一体の味わいを楽しんでほしい。

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うどん店が多い梅田の駅前ビル地下の中でも人気店の一つ。ツルッともちっとしながらも柔らかさがあるうどんで評価が高い。「踊るメニュー」と書かれた品書きには並ぶのは、「生じょうゆ(冷・温)」「ぶっかけ(冷・温)」「かけ(温)」「かまたま(温)」の定番と、各種アレンジメニュー。バラエティー豊かでまさに心が躍る。

おすすめは、「肉まいたけ天温玉ぶっかけ」(1,200円、以下全て税込み)。サバやウルメイワシ、メジカをブレンドした深みのあるだしと喉越しのいいうどんの相性が抜群だ。サクサクのマイタケの天ぷらと甘めに炊いた肉は食べ応え十分で、トータルの満足度が高い。ほかにも、「まいたけ天温玉生じょうゆ」(900円)、肉なしの「まいたけ天ぶっかけ」(830円)も人気だという。

京阪本線の滝井駅周辺にある人気店「踊るうどん 滝井本店」が、2008年に「大阪駅前第3ビル」に出店したが、「踊るうどん 梅田店」。開店を待ち望んでいたうどんファンから愛され、連日行列が絶えない。ファンの中では、「踊ってきた」(=「踊るうどん」で食べてきた)」なる言葉も生まれているらしい。

2004年、「大阪駅前第3ビル」にオープンした讃岐うどん店。店主は香川県高松市出身で、和食の世界に飛び込んだ後、地元で父親が営むうどん店で修行し、大阪で自身の店舗を持った。大阪出店のきっかけは、父親の店が難波にある高島屋の催事に出店したこと。「讃岐うどん」がこれほどメジャーになる前だったが、大阪人の舌を満足させ、多くの人に喜んでもらえたことから、この街でのチャレンジを決意したという。

食べられるのは、つるっと喉越しがよく、噛み応えもあるうどん。扱いの難しいといわれる香川県産小麦「さぬきの夢」と北海道産小麦を独自に調合し、香りもコシも申し分ないものに仕立てている。

「リトル香川」とうたい「オリーブ豚」や「オリーブ牛」「かめびし醤油」「讃岐どり」といった地のものにこだわって食材の良さを発信しているのも、この店の特徴だろう。しかし、古いものに固執しているわけではない。新たなものへのチャレンジ精神も持ち、大阪出店後もつけ麺などさまざまなメニューを開発している。

1月は限定メニューとして、香川の伝統の白味噌の中に根菜、ホウレンソウなどと焼いたあんが入った雑煮とうどんを組み合わせた「あんもち雑煮うどん」なるものも登場。関西人にもクセになると評判だった。

※不定休があるので、訪れる前にXを確認してほしい。

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近隣の飲食店街から外れているにもかかわらず、昼も夜も行列が絶えず、長年大阪で愛され続けている店が中津エリアにある。提供しているのはコシのある讃岐うどんで、食べ応えとともにつるっとした喉越しも最高だ。

人気のメニューは、2006年のオープン時から変わらない「とり天ぶっかけ」(980円)。太めで歯応えも十分なもっちりとした麺に、少し甘めのつゆが良く絡みとてもおいしい。

変わらないおいしさを日々提供するためには、麺の原材料である小麦の状態が重要だ。仕入れの段階から気を遣い、一番コンディションの良いものを使用し、毎日仕上げている。また、他店と比べてもボリューミーな「とり天」も見逃せない。しっかりとした味にもかかわらず、軽やかなのも驚きだ。

ほかにも、「卵とじうどん」(850円)や「わかめうどん」(900円)といったベーシックなものから、「生醤油うどん」(750円)、「下足と舞茸天生醤油うどん」(1,000円)なども人気がある。

ランチタイムには「まぐろ丼セット」(1,050円)、かつお節のつくだ煮ふりかけのごはんとうどんがセットになった「手作り錦松梅ごはんセット」(880円)のほか豊富なメニューで、梅田で働く人々の胃袋を連日満たしている。

大阪でうどんを食べるなら、一度は訪れたい名店。大阪出身の店主が、「讃岐うどん」の本場である香川県の「讃岐うどん一福 国分寺本店」で修行をし、2018年10月にオープンした。元は「船場センタービル」に店を構えていたが、2024年に現在の場所に移転した。

九州産の「チクゴイズミ」という小麦を使い、加水率高めで作る自家製麺が特徴だ。例えば、夏場の水分量は52%程度(小麦8キログラムに対して4キログラム超の水)までおよぶ。それだけの水を加えることによって、もちもち感とつるっとした喉越しが共存する麺になるという。麺に合わせるうどんのつゆはウルメイワシとサバ、コンブで取っただしをベースに、香川県産薄口醤油とみりん、酒を加えて仕上げている。

人気メニューは、「お昼のセット」。1,200円でうどん(冷・温・かけから選択)に、「鯛ちくわ天」とごはん(卵かけ、じゃこから選択)が付いてくる。昼時は行列必至なので、時間に余裕を持って訪れるのがいいだろう。

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100年以上続く老舗うどん店。きつねうどん発祥の店でもある。

きつねうどんと並ぶ、もう一つの名物が「おじやうどん」。名の通り、生卵にアナゴ、シイタケなどが入った具だくさんな鍋うどんに、ごはんまで入った一品だ。

大阪のソウルフード、うどんを気取らずに堪能できる小さな名店である。

地上階には数々の企業が入居し、地下には多彩な飲食店が軒を連ねる「大阪駅前第2ビル」。「さぬきうどん 四国屋 本店」は、ビルが創業した1976年から営業する数少ない店の一つだ。「香ばしいだしがクセになる」と評判で、ランチ時には連日行列ができる人気店として知られている。

「愛媛県出身の両親とともに創業。当時はまだ大阪で『さぬきうどん』という言葉は馴染みがない時代でした。だしにこだわり、大阪の方に愛されるうどんを目指してきました」と、2代目店主は語る。

店では焼いたカツオ、さらにいぶしたウルメやサバ、イリコなど使用することでコク深い味わいを実現。だしは肉との相性もよく、柔らかい肉質でうまみの強い上質な黒毛和牛を使用したカレーうどんや肉うどんなども人気がある。

「先代は『大阪の方が好むように』と柔らかい食感にしていましたが、今は関西でもコシの強い讃岐うどんが定着。そこで若い世代の方にも親しんでもらえるように、麺の食感を変えました」とのこと。2019年に2代目が店を引き継いでから、は毎朝生地を踏み、もっちりとコシのある麺に仕上げている。伝統のだしを継承しつつ、進化を続けるこの店の味をぜひ堪能してほしい。

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さっぱりしたいけどガッツリ食べたい? 懐の広い「新梅田食道街」なら、そんなワガママもかなえてくれる。目指すべきは「讃岐の麺×大阪のだし」という夢の最強タッグが生み出した「大阪讃岐うどん」だ。すでに一つのジャンルとして定着しているが、その火付け役と言えばやはり「釜たけうどん 新梅田食道街店」だろう。

ゆでたうどんを冷水でキュッと締め、つけだしをかけて食べる「ぶっかけ」を専門に提供する。つややかに輝く長くて太いうどんは、うっとりするほど立派。唇の上をツルツルと滑っていく快感を楽しんだら、濃いめでありながらも、やはり大阪風の上品さが漂うつけだしの風味に包まれよう。後はもっちりとした食感と確かなコシを気の済むまで楽しんで。飲み込んだ後に残る生姜とレモンの爽やかさが「もう一本…」と箸をわんに向かわせる。

どのメニューも小(300グラム)、並(400グラム)、大(800グラム)と麺の量が選べる。並サイズを基準に「ちょっと少なめがいい」「もりもりに食べたい」とかゆい所に手が届くナイスな設定だ。

1番人気は、器から思い切り飛び出たちくわ天がトレードマークの「ちく玉天ぶっかけ」(小・880円、中・830円、大・980円)。国産和牛のみを使用した贅沢な逸品「肉ぶっかけ」(小・1,260円、並・1,280円、大・1.470円)もおすすめ。人気店ゆえ「行列に並びたくない」というワガママだけはかなわないかも知れないので、注意してほしい。

「優しいものを食べたい」と感じた時、うどんを選ぶ大阪人は多い。コシを楽しむ讃岐スタイルとは違い、甘い「お出汁」に平べったくて柔らかいうどん。そんな大阪うどんを食べたいなら、地元では「谷九(たにきゅー)」と呼ばれる谷町九丁目に位置する「ふる里」へ行くべきだ。

元々は屋台から始まったというこの店の創業は、およそ半世紀前。昭和の雰囲気をそのまま残した店内は、いい意味で時が止まっているかのよう。ところが、せっかちな大阪人を相手にしてきただけあって、提供スピードはかなり速い。

定番の「きつねうどん」(900円)などは、ショーケースに並んだ新鮮なネタで作られた握り寿司や巻き寿司(350円から)を選んで席に戻ると、もうスタンバイしていることも。しかしどれほど気持ちが急いていても、朝一番で丁寧に炊かれただしが体に染み込んでいく間だけは、ゆったりとした気分に浸らざるを得ない。

何よりうれしいのが毎日24時間営業(1月1日以外)ということ。朝方には、出勤前の会社員や朝帰りの若者が元気をチャージしていく姿も。「いつでもお客さんが来られるように、開けとかなアカンと思ってます」と店主。休みは元日のみの心意気にも感涙。悲しい時もうれしい時も、いつでも受け入れてくれるという安心感は、この店のうどんと共に大阪の大きな財産といえる。

※2025年6月に大阪・中央区の高津に移転予定

大阪グルメを堪能するなら……

大阪名物といえば、やはりたこ焼きだろう。定番のソースやポン酢だけでなく、「オルタナティブ」と形容すべき、斬新なフレーバーも近年人気上昇中だ。

それぞれの店の個性が光るたこ焼き。ハシゴして食べ比べするのもいいかもしれない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得している老舗から、比較的近年オープンしたヴェニューまで紹介する。

大阪を代表する「粉もん」料理の一つ、「お好み焼き」。関西では家庭で食べられるものでもあるが、大阪のお好み焼きの店舗数は全国指折りを誇る。ジュウジュウとソースが焼ける音と香ばしい匂いに包まれ、わいわい言いながら一つのお好み焼きを分け合うのは、大阪らしいひとときだ。

ここでは、お好み焼きのルーツといわれる「一銭焼き」の店からグルテンフリーのお好み焼きを提供する店まで、厳選して5店を紹介する。本場の味をぜひ楽しんでほしい。

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スパイスカレーの聖地とも言われる大阪。4年連続でミシュランガイドに掲載されたレジェンドや、一部で「幻」と呼ばれているカレーなど、さまざまなタイプに分かれている。

食欲をかき立てられるスパイスの香りを思い切り吸い込み、見た目も美しいカレーたちに心をときめかせたい。食い倒れの街、大阪で、めくるめくカレー探しの旅に出よう。

  • ラーメン

大阪グルメといえば「粉もん」の名が上がる。麺類の代表格は「うどん」であり、人口あたりのラーメン店はけっして多くはない大阪だが、むろん行列のできる名店は存在する。

2022年にオープンした異色の経歴を持つオーナーが手がける店から、高井田系といわれる東大阪発祥のご当地ラーメンを提供する店まで厳選して4店を紹介する。粉もん文化の中で揉まれて育まれた大阪ラーメンをぜひ味わってほしい。

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  • ワインバー

日本はナチュラルワインの輸入大国といわれるほど、ナチュラルワインに親しんでいる。現在では若手を中心に、日本でもナチュラルワインを産するワイナリーが増えている。土地の個性を生かしているため、味わい深く、和食と相性がいいのも魅力だ。

ここでは、大阪の都市型ワイナリーをはじめ、絶品のペアリングが楽しめる店や日本産ナチュラルワインを知り尽くしたソムリエールがオーナーを務める店など、日本産のナチュラルワインにほれ込んだ大阪のワインバーやレストランを厳選して5店舗を紹介しよう。

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