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日本の観光都市が今、世界から熱視線を浴びている。観光客のリアルな視点から世界の主要観光都市を評価した「Global Tourism City Attractiveness Index」で、大阪がパリを抜いて総合1位となった。2024年の3位から2ランクアップという快挙だ。
これは2025年7月2日にソウルで開催された「2025年世界観光都市魅力度評価」セミナーで、旅行・観光産業の調査機関Yanolja Researchが公開したものである。
Yanolja Research、米国パデュー大学CHRIBA研究所、韓国・慶熙大学H&T Analytics Centerが共同開発し、英国Brandwatchが提供する14言語のソーシャルメディアデータを活用し、191都市を評価した。
従来のランキングが交通、宿泊施設、インフラ、政策といった供給側の要素に偏っていたのに対し、同指標では旅行者の感情や心理にフォーカスし、「Tourism City Attractiveness(都市がどれだけ好意的に見られているか)」と、「Tourism City Reputation(どれだけ話題になっているか)」の2つの要素を中心に、都市の魅力を「美しさと自然景観」「文化と歴史」「体験できるコンテンツ」「おもてなしの心」の4つの側面で分析した。
2025年ランキングでは、日本から大阪、京都(3位)、沖縄(10位)、福岡(11位)、東京(12位)、札幌(18位)の6都市がトップ20入り。日本の観光都市の存在感が際立つ結果となった。アジアエリアのランキングでも大阪と京都が1位・2位を独占し、アジアを代表する観光都市としての地位を固めた。
世界全体で見ても、バンコク(16位→7位)、チェンマイ(61位→20位)などアジアの観光都市が大きく順位を上げている。一方、パリ(2位)、ロンドン(6位)、ローマ(8位)など欧州の都市は依然として高いブランド力を持つが、マドリード(17位→29位)、バルセロナ(19位→25位)などは順位を落とし、観光トレンドの変化が見て取れる。アメリカではニューヨーク(4位)を筆頭に、米国の都市が2024年に引き続き上位に入った。
Yanolja Research責任者でパデュー大学教授のスーチョン・ジャン(SooCheong Jang)博士は「大阪をはじめ日本やアジアの都市の躍進は、観光客の嗜好がダイナミックに変化している証拠。今後は各都市が独自の魅力を発信することがカギになるでしょう」とコメントを寄せた。

日本政府観光局(JNTO)によると、2025年5月の訪日外客数は369万人(2024年比13.5%増)で、過去最多記録を更新。「大阪・関西万博」でも、事務局の想定より早く、6月29日に、関係者を含めた総来場者数や約1000万人を達成した。
日本人から見ても今一番ホットな都市と言っても過言ではないだろう。ぜひこれを機に訪れてみてほしい。その際は、関西最高峰の食と文化が満喫できるフードカルチャーマーケット「タイムアウトマーケット大阪」をチェックするのも忘れずに。
詳細なランキングや分析は公式ウェブサイトで確認できる。なお、トップ20は以下の通りだ。
【2025年Global Tourism City Attractiveness Index トップ20】
1. 大阪(日本)
2. パリ(フランス)
3. 京都(日本)
4. ニューヨーク(アメリカ合衆国)
5. ソウル(韓国)
6. ロンドン(イギリス)
7. バンコク(タイ)
8. ローマ(イタリア)
9. ドバイ(アラブ首長国連邦)
10. 沖縄(日本)
11. 福岡(日本)
12. 東京(日本)
13. ワシントンD.C.(アメリカ合衆国)
14. ロサンゼルス(アメリカ合衆国)
15. シンガポール(シンガポール)
16. 済州島(韓国)
17. シカゴ(アメリカ合衆国)
18. 札幌(日本)
19. 香港(中国)
20. チェンマイ(タイ)
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