CURATION⇄FAIR Kyoto
「CURATION⇄FAIR Kyoto」 | 「渉成園」での展示風景
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大阪、11月に行くべきアート展5選

いま観るべきアートを、大阪・京都からセレクト

Chikaru Yoshioka
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秋の深まりとともに、熱を帯びる関西のアートシーン。大阪では101歳を迎えた影絵作家・藤城清治の展覧会が注目を集め、京都では国内外のギャラリーが参加するアートフェアCURATIONFAIR Kyotoが初開催される。さらに「国立国際美術館」では、現代を生きる作家たちの新収蔵作品が公開されるなど、見逃せない企画が目白押しだ。

芸術の秋を彩る5つの展覧会とアートイベントを紹介する。

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  • アート

影絵作家の第一人者・藤城清治は、1924年東京生まれ。慶応義塾大学在学中に人形劇と出合い、戦後、光と影だけで表現できる影絵に可能性を見いだした。焼け跡の廃材から生まれた作品は、傷ついた人々に夢と希望を届けた。

雑誌『暮しの手帖』での連載をきっかけにカラー影絵を開拓。以後、「原爆ドーム」や「知覧特攻平和会館」、東日本大震災の被災地などを題材に、平和への祈りを込めた作品を発表してきた。

20254月に101歳を迎えた今も創作を続けており、1日に約100枚のカミソリで線を刻む。「切る線に命を懸ける」と語るその手からは、今も「生きた線」が生まれ続けている。

大阪では8年ぶりの開催となる本展「藤城清治101歳展 生きている喜びをともに」では、大型作品「日本一大阪人パノラマ」や、101歳を超えて制作された新作「ミラクルアビーとミラクルボーイ」などを公開。光と影が織り成す藤城の世界が、再び大阪に広がっていく。

パートナーサイトでチケットを購入する。

  • アート

「国立国際美術館」で、21世紀に入ってからの25年間に制作された国内外の現代美術作品を、幅広いジャンルにわたって紹介する「コレクション2」が開催。現代を生きる作家たちが、この時代をどう捉え、どのように表現してきたかを振り返る。

本展では、特集展示「21世紀の想像力」と通年展示「コレクション・ハイライト」の2部で構成。「コレクション・ハイライト」では、同館を代表する所蔵作品と新収蔵作品を紹介する。

古くはポール・セザンヌ(Paul Cézanne)やマックス・エルンスト(Max Ernst)ら、19世紀末から20世紀初頭にかけての実践にまでさかのぼり、近現代の美術の諸相を浮かび上がらせる。また、近年収蔵のヨーゼフ・ボイス(Joseph Beuys)や村上隆、モーリーン・ギャレス(Maureen Gallace)、マリア・ファーラ(Maria Farrar)などの作品も登場する。

特集展示では、近年新たに収蔵したツァオ・フェイ(Cao Fei)、今井麗、今井俊介、鬼頭健吾、藤原康博などが初披露される。

なお、2025年11月1日(土)・3日(月・祝)・15日(土)・16日(日)、12月6日(土)、1月10日(土)、2月7日(土)は無料で観覧できる。

特別展「プラカードのために」も開催しているので、併せてチェックしてほしい。

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  • アート

京都の「妙顕寺」を舞台に、アートフェア「CURATIONFAIR Kyoto」が初開催。工芸と近代洋画に焦点を当てつつ、古美術から現代工芸、近代洋画から現代美術まで、時代とジャンルを横断した作品を展示販売する。

本フェアは、日本美術の文化的結晶である「工芸」を見直し、日本独自の状況から生まれた「もう一つの近代」としての近代洋画や現代美術を紹介。美術評論家の清水穣によるテキストを手がかりに、出展ギャラリーのプレゼンテーションの意図に思いを巡らせながら、作品の鑑賞と購入ができる。

出品予定作品には、藤田嗣治、梅原龍三郎、安井曾太郎、岸田劉生、佐伯祐三、ベルント・フリーベリ(Berndt Friberg)吉原治良、白髪一雄、中西夏之、池田巖、黒田泰蔵、辰野登恵子、小川信治、豊嶋康子、加藤亮太郎、横山惇亮、岡安真美、臼井良平、鈴木祥太、菊池奈緒らが名を連ねる。

また、国指定名勝の庭園「渉成園(枳殻邸)」で開催する展覧会「『工+藝』京都 2025、「大原山荘」での現代華道家・杉謙太郎による花会など、日本の伝統的な建築や庭園を同時に堪能できる。

京都という土地が持つ文化資源や美意識と響き合わせながら、長期的な市場価値と新たな美的理解を提案する本フェア。秋の京都に足を運んでみては。

  • アート

2026年、日本とイタリアの国交樹立160年を迎える節目に、2025年日本国際博覧会(以降、大阪・関西万博)で話題を集めた「イタリア館」の名品が「大阪市立美術館」で公開される。

イタリア館は「芸術が生命を再生する」をテーマに、古代から現代までの作品を通して人と文化の力を表現した。その精神を受け継ぎ、本展では「神話と宇宙」「信仰と交流」「英知と創造」の3つの章で構成される。

展示されるのは、天空を支える姿が印象的な『ファルネーゼのアトラス』、レオナルド・ダビンチLeonardo da Vinci)の『アトランティコ手稿』、そしてペルジーノ(Perugino)の『正義の旗』。古代からルネサンスを経て現代へとつながる物語を描くことで、大阪・関西万博の文化的遺産を次世代へ継承していく。

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  • アート

「コラボレーション」をテーマに京都で開催される現代美術のアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK)」。国内外や行政と民間、美術と他分野など、多様な協働を通じて新たな可能性を探る。

会場の「国立京都国際会館」では、「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」の2セクションに分かれ、72のギャラリーが作品を展示・販売する。

企画展示では「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」をテーマに、マーティン・ゲルマン(Martin Germann)と木村こころがキュレーションした作品が登場。トークイベントやキッズプログラムなど、次世代を育む教育プログラムも行われる。

なお、チケットはオンラインのみの販売。この秋、京都で最先端のアートに出合おう。

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昔からある街の書店が消えていくニュースは、大阪をはじめ各地から聞こえてくる。他方、チェーン店ではない独立書店が生まれ、工夫を凝らしながら「書店」という文化を守るべく奮闘している。

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