影絵作家の第一人者・藤城清治は、1924年東京生まれ。慶応義塾大学在学中に人形劇と出合い、戦後、光と影だけで表現できる影絵に可能性を見いだした。焼け跡の廃材から生まれた作品は、傷ついた人々に夢と希望を届けた。
雑誌『暮しの手帖』での連載をきっかけにカラー影絵を開拓。以後、「原爆ドーム」や「知覧特攻平和会館」、東日本大震災の被災地などを題材に、平和への祈りを込めた作品を発表してきた。
2025年4月に101歳を迎えた今も創作を続けており、1日に約100枚のカミソリで線を刻む。「切る線に命を懸ける」と語るその手からは、今も「生きた線」が生まれ続けている。
大阪では8年ぶりの開催となる本展「藤城清治101歳展 生きている喜びをともに」では、大型作品「日本一大阪人パノラマ」や、101歳を超えて制作された新作「ミラクルアビーとミラクルボーイ」などを公開。光と影が織り成す藤城の世界が、再び大阪に広がっていく。















