築地市場の裏側を捉えたドキュメンタリーが公開

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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日本の食文化を支える台所として、81年間にわたり絶え間なく動き続けている築地市場。現在、2016年11月に予定されていた豊洲への移転が延期になるなど、混迷を深めているが、そんな最中、市場を追ったドキュメンタリー映画『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』が2016年10月15日(土)に全国公開される。

『TSUKIJI WONDERLAND』は、築地市場で働く人、魚を求めにやってくる客や、築地の魚を食べる人など、「人」にフォーカスを当てながら築地市場の真の姿を映し出した作品だ。監督の遠藤尚太郎は、東京魚市場卸協同組合の協力のもと1年以上にわたり築地に密着し、季節によって表情を変える市場の風景を追いかけた。

市場の貴重な記録映像でもある本作。印象的だったのは、料理評論家の山元益博が語るように築地では、「仲卸が料理人の好みまで熟知し、厨房で調理するタイミングに最適な状態で届けている」ことだ。最高の状態で提供するために、職人たちが愛情を持って魚に向き合っているからこそ、そんな築地を信頼して客が買い付けに来ているのだ。本作は、移転について問題提起している作品ではないが、築地市場という台所で行われるやり取りを眺めれば、築地の行く末について考えずにはいられないだろう。

『TSUKIJI WONDERLAND』の公式サイトはこちら

(C)2016 松竹
2016年10月1日(土)築地(東劇)先行公開、10月15日(土)より全国ロードショー

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