世界で唯一の「ルオー」美術館が解き明かす名画の謎。
『裁判官』はトレーシングペーパーに描かれていた!?
『古きヴェルサイユ』の内部には、まだ乾いていない絵の具がある!
ハサミで切断されていた『キリストと子供』!!
『聖書の風景』の裏面は前衛絵画!?
キャンバス地に描かれているように見える『マドレーヌ』、でも実は…。
ルオーは近代の画家のなかでも、特に独自性のある制作手法を用いていた。キャンバスを使用しない。イーゼルも使わない。同時並行で何枚もの作品を描く。乾いていない作品でもどんどん積み重ね、作品を完成させない。様々なこれらのエピソードが生まれた画家のアトリエの扉は、常に閉ざされ、誰の立ち入りも許さなかった。
そんなルオーの制作の秘密は、現代の修復と状態確認の技術で少しずつ明らかになっている。 制作時の技法の紹介とともに、作品を詳細に見続けることで分かってきた絵画の秘密。また、逆に深まる謎とその解明など、名画にまつわるさまざまなミステリーとエピソードを紹介する。