「京都市京セラ美術館」で、1980年代後半から2000年代初頭にかけての英国美術に焦点を当てた展覧会「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」が開催。世界のアート史に名を刻む約50人を超える作家による約90点の作品を通して、1990年代の英国美術における革新的な創作の軌跡を検証する。
1979年から1990年まで続いたサッチャー政権下の英国では、失業率の悪化など社会不安が広がる中、既存の美術制度や表現を問い直すアーティストたちが数多く登場した。当時「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれた作家たちは、大衆文化や個人的な物語、社会構造の変化などをテーマに、絵画・彫刻・写真・映像・インスタレーションなど多様な手法を用いて独創的な作品を発表した。
1988年、ダミアン・ハースト(Damien Hirst)はロンドン東部の倉庫街で、学生や卒業生による展覧会「フリーズ」を企画した。ハーストら同世代の作家たちは新たな視点で素材や表現を探り、自ら発表の場を切り開いていく。その後「サーチ・ギャラリー」での展覧会を通じてYBAという呼称は広く浸透し、彼らの自由で実験的な活動は1990年代英国アートシーンを世界的な注目へと押し上げていった。
会場では、ダミアン・ハースト、トレイシー・エミン(Tracey Emin)、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)、ジュリアン・オピー(Julian Opie)、ルベイナ・ヒミド(Lubaina Himid)ら、英国現代美術を代表するアーティストたちの作品が一堂に集結。音楽、サブカルチャー、ファッションの熱狂と共鳴した90年代UKカルチャーの息吹を体感できるだろう。
「テート美術館」が編み上げた、YBAと90年代英国アートを総覧する決定版ともいえる本展を見逃さないでほしい。
※10〜18時(入場は閉場の30分前まで)/休館日は月曜(祝日の場合は開館)/料金は前売り2,100円、学生1,300円、高校生700円/当日2,300円、学生1,500円、高校生900円、中学生以下無料






