「i GALLERY OSAKA」で、現代の刀鍛冶が今を写した日本刀の製作を志し、起ち上げた会社「日本玄承社」による「新し - ARATASHI -」展が開催。本展は、日本刀一点のみで構成され、樹脂で封入された一振を軸に、現代美術の文脈から提示する。
刀剣と縁深い京丹後に鍛冶場を構える日本玄承社は、日本刀の製作・販売を中心に、玉鋼を用いた製品制作や実演を通して、その技術と思想を現代へと接続してきた。制作を担うのは、師から受け継いだ技と現代的な価値観の下で刀作りに向き合う、黒本知輝、山副公輔、宮城朋幸の3人の刀鍛冶による協働である。
工芸であり、武具であり、文化財でもある日本刀は、長い時間の中で多様な文脈に位置づけられてきた。本展では、そうした枠組みの内側に収まりきらない、現在進行形の制作行為としての刀作りに光を当てる。保存や継承のためだけではなく、この時代においてあえて刀を作り続けるという判断を選び取りながら続けられている行為でもある。
展示される一振は樹脂で封入され、切ることのできない状態で空間に置かれる。これは保護や装飾ではなく、刀が背負ってきた機能や即時的な意味から距離を取り、形や時間、制作の判断そのものを浮かび上がらせるための選択だ。
示されるのは、日本刀の再定義や伝統の現代美術への翻訳ではない。日本玄承社による制作という現在形の行為を、静かに差し出す試みである。平和の象徴としての思いと、日本刀の美を感じてほしい。
※12〜19時/休廊日は火曜/入場は無料






