金魚に魅せられ、創作を続ける美術作家・深堀隆介の個展が「あべのハルカス美術館」で開催。初期の立体作品から、絵画、映像、大規模なインスタレーションなど新作を含む作品約300点を一挙に紹介する。
透明樹脂にアクリル絵の具で何層にも重ねて描く「2.5Dペインティング」とも称される斬新な技法により、立体感のある金魚を作り出してきた深堀。作品は、まるで目の前に水があり、命ある金魚が泳いでいるかのような迫真性を持つ。
深堀は、自身の作品をまるで生きているかのように「見せる」一方で、それが命を持たない絵の具の積層であるという事実に正面から対峙(たいじ)する。幻影と物質の同居という、リアリズムにおける根源的な命題が横たわっているのだ。
一貫して取り組んできた金魚の造形に改めてフォーカスし、描くこと、リアルであることに対する作家の思想に迫る本展。 虚実のはざまを揺れ動く「金魚繚乱」の世界を垣間見てほしい。
※10~20時(土~月曜・祝日は18時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は7月7日/料金は前売り1,400円、学生1,000円、中・小学生300円/当日1,600円、学生1,200円、中・小学生500円、未就学児無料