Osaka Culinary Immersion
Photo: Time Out Tokyo
Photo: Time Out Tokyo

大阪で国際的な食のシンポジウム「Osaka Culinary Immersion/ 天下の台所・大阪の食文化に没入する」が開催

世界的に活躍する食のスペシャリストを招待、大阪で世代を超えて受け継がれる味と物語を発信

Genya Aoki
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2025年9月22日(月)・23日(火)に、大阪で国際的な食のシンポジウム「Osaka Culinary Immersion/ 天下の台所・大阪の食文化に没入する」が開催される。大阪府が主催するもので、食の分野で世界的に活躍する人々を招待し、議論を交わし、現地の食文化や伝統技能・自然に触れる。

大阪は、食のポテンシャルが高い街として国内外で認知されているが、「安くておいしい」点が好評を博している一方で、高い付加価値を有する生産者や飲食店はまだ十分に知られておらず、ポテンシャルを発揮できていないといった課題がある。そこで「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」で来阪者が増え、同地に注目が集まるこの機会に、世界に向けて大阪の食の多面的な魅力とその観光ポテンシャルを発信していくのが狙いだ。

22日は、体験型の見学会である「エクスカーション」を実施。大阪市外の南大阪エリアと北摂エリアに分かれて行われる。

北摂エリアは、吹田市で100年以上「なにわの伝統野菜」を守る「平野ファーム」、100年変わらず無農薬の自社米で純米酒を醸す「秋鹿酒造」、能勢の古民家で地元の四季の野草やジビエを供する「」、革新的なクラフトビールを生み出す「箕面ビール」だ。

viteraska
Photo: Yasuhio Suzuki

南大阪エリアでは、日本に唯一残る鷹の爪純系品種『堺鷹の爪』を守り、それを原料にした七味唐辛子や、希少な山朝倉山椒を石臼で挽いた、香り高い粉山椒を作るやまつ辻田」、堺で明治から4代続く「藤井刃物製作所」、神武天皇の時代にまで遡るブドウを受け継ぐ「カタシモワイナリー」、そして世界遺産の一つである「白鳥陵古墳」を望む築150年の家屋を舞台にしたイタリア料理店「viteraska」に足を運ぶ。

大阪昆布ミュージアム
Photo: Kyoko Yasui

23日の朝には、1903年に創業し今では世界の名だたるシェフが信頼を寄せる「こんぶ土居」を訪れる。

土に触れ、職人の手を見つめ、そして作り手たちの言葉に耳を傾けることで見えてくる、大阪という街が持つもう一つの顔。派手さとは対極にある、深く、豊かで、人間味あふれる食の世界を知ることができるだろう。

23日のシンポジウムは、大阪の新たな注目のラグジュアリーホテル「ウォルドーフ アストリア大阪」で行われる。

Waldorf Astoria Osaka
Photo: HiltonPeacock Alley at Waldorf Astoria Osaka

モデレーターとパネリストには、大阪から唯一「アジアのベストレストラン50」に選出されたガストロノミーフレンチレストラン「La Cime」オーナーシェフの高田祐介や、ベルリンにある「Ernst Cave」のオーナーシェフであるDylan Watson Brawn、アジアを代表するトップシェフの一人・André Chiang、映画音楽家・俳優・映画プロデューサーでありながら農園レストランオーナーの顔を持つPete Teo、ENA(中東・北アフリカ)版「世界のベストレストラン50」のチェアマンである料理起業家のLeen Al Zaben、国内外の多くのレストランアワードの審査を行っているフードジャーナリストの仲山今日子らが集う。また、タイムアウト東京副代表でORIGINAL Inc. 取締役副社長の東谷彰子が本プロジェクトのプロデューサーを務める。

本シンポジウムでは、「世界の食のプロフェッショナルが見た大阪の食文化」や「大阪の食文化が世界市場で輝くための条件」などをテーマに、議論やワークショップを行う。17時〜18時40分(予定)に開催されるシンポジウムはライブ配信も実施するので、興味ある人はぜひチェックしてほしい。

ゲストスピーカー

アンドレ・チャン(André Chiang)

シェフ

台湾生まれ。世界的に著名なシェフの一人。フランスの「Jardin des Sens」でキャリアをスタートし「La Maison Troisgros」「L’Atelier de Joël Robuchon」「Restaurant Pierre Gagnaire」「Astrance」で研鑽を積んだ。その後、シンガポールで「Restaurant André」をオープン。同店は『ミシュランガイド』二つ星、「世界のベストレストラン50」に選出。シンガポール最高のレストラン、そしてアジア最高のレストランの一つとして評価された。ニューヨーク・タイムズ紙「飛行機に乗ってでも行く価値のある世界のトップ10レストラン」にも選出された。

「この10年で最も影響力のあるシェフ15人」の一人として認められ、「アジアのベストレストラン50」特別功労賞を受賞。フランス料理、四川料理、台湾料理など様々な料理ジャンルでミシュランに認められた数多くのコンセプトを生み出してきた。キッチンの外でも、起業家、クリエーティブディレクター、キュレーター、作家という多彩な肩書きを持ち、間もなく料理学校の校長にもなる。

現在はレストランを閉店し、2025年後半に「Raffles Hotel Singapore」とパートナーシップを結んだシグネチャーレストランをオープンする予定だ。

ディラン・ワトソン・ブラウン(Dylan Watson-Brawn)

シェフ

ベルリン「Ernst Cave」のオーナーシェフ。17歳に故郷のカナダを離れ、東京の三つ星日本料理店「龍吟」、香港「天空龍吟」、ニューヨークの「Eleven Madison Park」、コペンハーゲンの「noma」などで経験を積んだ。共同設立者としてオープンしたベルリンの「Ernst」は、2018年4月に、Opinionated About Dining(OAD)の「Best New Restaurant in Europe」に選出。2023年と2024年には「世界のベストレストラン50」にリストイン。ディランは、2022年度にドイツの料理界で最も権威のある賞の一つである「Chef of the Year Germany」も受賞している。2024年に「Ernst Cave」と「Tukemono Lab ARU」をオープン。レストラン、ワインバー、そしてドイツ初となる日本酒醸造所を含む小さなエコシステムを作り上げた。現在は「Ernst」があった場所に高級寿司店の開業すべく準備を進めている。

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リーン・アル・ザーベン(Leen Al Zaben)

料理起業家

ヨルダンのアンマン出身。革新的なプロジェクトを通じて文化と大陸を結ぶ架け橋を築く料理起業家。ENA(中東・北アフリカ)版「世界のベストレストラン50」のアカデミーチェアを務めている。

ピート・テオ(Pete Teo)

農園・レストランオーナー、映画音楽家、俳優、映画プロデューサー

受賞歴のあるミュージシャン・映画監督として知られ、改革提唱活動が故郷マレーシアの政治情勢に大きな影響を与えた。近年の東南アジア最高峰のアートハウス映画に出演する引く手あまたの俳優でもある。2015年、建築家の妻リサとともに、クアラルンプール郊外のジャンダ・バイクの牧歌的な高原地帯にオーガニック農場「A Little Farm On The Hill」を共同設立した。同農園は現在、マレーシアの「20トップレストラン」のうち15店舗に新鮮な農産物を供給している。農場内のレストラン自体も「トップ20」に入るレストランの一つだ。

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高田裕介

シェフ

奄美大島出身の1977年生まれ。フランスや大阪での修行を経て、2010年に大阪で自身のレストラン「La Cime」を開業。ミシュラン二つ星、大阪からは唯一「世界のベストレストラン50」および「アジアのベストレストラン50」に選出。日本ならではの食材とフランス料理のテクニックを融合させた革新的なフリースタイルフレンチの実力派シェフ。27年の経験を生かし、常に新しい料理の可能性を追求している。「QUOI」や「THE UPPER」なども手掛ける。

仲山今日子

ジャーナリスト

元テレビ山梨アナウンサー。退職後、シンガポールのテレビ局に転職。並行してシンガポール国営ラジオ局で、DJとして食とアートの番組を担当。実名・匿名で国内外の多くのレストランアワードの審査を行う。ジャーナリストとして『CNN』や『CHANNEL NEWS ASIA』で美食について解説。 著書に『私は料理で生きていく』 がある。

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