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Photo: Kisa Toyoshima | 喫茶マヅラ
Photo: Kisa Toyoshima

大阪、レトロな純喫茶6選

梅田・新世界・千里で昭和にタイムスリップ

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純喫茶とは1960年〜70年代に流行した、酒類を提供しない喫茶店のこと。今では昭和レトロなたたずまいの店を指すことが多い。内装や外観は、店が年齢を重ねるとともにオールドスタイルになってしまったが、こだわりのコーヒーや紅茶は、変わらぬ味で客の支持を集め続けてきた。

一歩薄暗い店内に入れば、昭和にタイムスリップするようで、老若を問わず懐かしさが込み上げてくるだろう。また、昔ながらの名物スイーツの味わいは客を子ども心に返らせ、顔をほころばせる。 ここでは、大阪の純喫茶の中から6店を紹介。ますます貴重な存在になっていく純喫茶でのゆるりとした、コーヒーブレイクを楽しんでみては。

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  • カフェ・喫茶店

「大阪駅前第3ビル」にあるコーヒー店。1972年に北区小松原町の阪急東通商店街で創業し、1992年に現在の場所に移転した。メニューはオープン以来、時代の要望に合わせて増え続け、今ではコーヒーと紅茶を中心としたドリンクや、トーストやサンドイッチなどの軽食、デザートを合わせて50種を超える。

コーヒーメニューは、ブルーマウンテンやコロンビアなど11種類のストレートコーヒーのほか、ブレンドやアレンジコーヒーを取り扱う。コーヒーにホイップクリームをたっぷり乗せた店の「ウインナ・コーヒー」(650円、以下全て税込み)は人気メニューだ。さらに紅茶は14種あり、ココアやジュースといったソフトドリンクメニューも充実している。

初めて訪れるのであれば、バターを塗った分厚いトーストにモンブランクリームをたっぷりかけた「モンブラントースト」がおすすめ。店主の創意工夫によって生まれたこのメニューは、店の名物の一つで、SNS映えのためにオーダーする人も多いとか。

  • カフェ・喫茶店

新世界のシンボル・通天閣のたもとで1967年から営業を続ける喫茶店。緑のツタに覆われた建物が印象的で、食品サンプルが並ぶ入り口のショーケースにも心が躍る。

店内を彩るのは、朱色の椅子や丸みを帯びた銀色のランプなど、レトロ感漂うインテリアの数々。新聞を片手に静かにコーヒーを飲む常連客もいれば、ガイドブックを広げて次の行き先を楽しそうに話す観光客もいる。それが、この店の日常風景だ。

ウエーター姿のネコが描かれたメニュー表を開くと、鉄板で焼き上げる分厚いホットケーキや緑色に輝くクリームソーダ、ハムや卵のサンドイッチなど、「喫茶店といえば」の王道メニューが名を連ねる。

中でもひときわ目を引くのが「プリンローヤル」。中央に控えるプリンの周りには、リンゴ、バナナ、黄桃、オレンジ、パイナップル……とあふれんばかりのフルーツが盛り付けられている。そのたたずまいは、「ローヤル」の名のごとく気品すら漂う。創業当時のレシピを守り、「柔らか過ぎず、硬過ぎず」手作りされたプリンは、口当たりは滑らかで、ミルキーな味わいの後にカラメルの苦味がふわっと広がる。

「プリン」は単品の注文もできるので、気分に合わせて選んでみよう。

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  • カフェ・喫茶店

大阪メトロ御堂筋線に直結する大阪急行「千里中央」駅の上階、コンコースが望める飲食店街にあるのが、喫茶店「ニューアストリア」だ。

名物は「カツサンド」(野菜入り750円、野菜なし700円)で、50年変わらない作り方と味を提供している。カツサンドは、一口サイズで食べやすい。

鉄板でカリッと焼いた食パンにタルタルソースを塗り、サクサクの豚フィレ肉のカツにカクテルソースをかけ、トマト、サラダ菜、タマネギが挟んである。ソースはたっぷりなのに、肉の厚みと野菜によって、しつこさがなくさっぱりと食べられる。なおテイクアウトは「野菜なし」のみなので注意しよう。

合わせるなら、オリジナルの「ブレンドコーヒー」がおすすめだ。2種類あり、「マイルドブレンド」はほどよいバランスがとれた味わい。「ストロング」は、さらに酸味と苦味が際立つそう。好みに合わせてチョイスしたい。

時折聞こえてくる北大阪急行のアナウンスと電車の走行音も心地よい。駅直結ということもあり、少し家を早く出て朝活として、出張帰りに寄ってひとときを過ごすといった使い方もいいだろう。

なお営業時間は変動する可能性があるので、訪れる前に電話確認をお勧めする。

  • カフェ・喫茶店

1970年オープン、大阪駅前第1ビルの地下1階にあるスペーシーな喫茶店。「宇宙」をデザインテーマにした「マヅラ喫茶店」は、クラシカルな喫茶店が多かった1970年当時から画期的な一軒として一目置かれてきた存在だ。設計は祖川尚彦建築設計事務所が手がけた。

宇宙的空間に興奮してしまう気持ちは分かるが、訪れた際は木材で作られた壁のレリーフにも注目してほしい。実は、全く同じ絵柄を手彫りした2枚の木材で透明の板を挟む仕掛けになっており、職人技が強く感じられるポイントなのだ。地下1階だと窓が設置できないが、この美しい仕切りのおかげでプライバシーは保たれつつも、外から明るい光が入ってくる仕組みになっている。

メニューは「自家焙煎コーヒー」をはじめ、「フルーツサンド」や「プリンアラモード」などのデザートも充実。「純喫茶のナポリタン」や「マヅラのハンバーグサンド」といった食事系のメニューには、200円でコーヒーや紅茶が付けられるドリンクセットもあり、ランチ利用者の強い味方だ。また、実はバーとしても機能しており、スコッチの「Johnnie Walker」はボトルキープもできる。

夢と情熱、そして当時の人々の知恵と技術が詰まった空間はきっとこの先も色あせることはない。コーヒーを片手に、どこか遠くの惑星へとワープしてしまいそうな唯一無二の空間で一息つこう。

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  • カフェ・喫茶店

東梅田の地下にある1973年創業の純喫茶。ノスタルジックな店内は、隠れ家のような落ち着いた雰囲気が魅力だ。先代のオーナーが引退した現在は、2代目の息子が中心となって店を切り盛りしている。

2代目は「ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ2019」で全国5位の成績を収めたコーヒーのスペシャリスト。店内で焙煎(ばいせん)するコーヒー豆は日替わりも含めて約10種。シングルオリジンのコーヒーはペーパードリップで抽出し、「温度によって移り変わる繊細なフレーバーを楽しめるように」と、たっぷり2杯分をポットで提供する。

香り高いコーヒーとともに楽しみたいのは「ホットケーキ」。注文後に専用のフライパンで1枚ずつ丁寧に焼き上げ、表面はさっくり、中はふんわりで、不動の人気を誇っている。「オムライス」や「イタリアンスパゲッティ」など、純喫茶ならではの軽食も豊富だ。食後にゆっくりコーヒーを味わう人も多い。

コーヒーと並び創業時から人気の「ミックスジュース」もおすすめ。黄桃、ミカン、パイン、リンゴの4種のフルーツと牛乳、練乳を混ぜ合わせ、トロリとした口当たりの一杯に。ミックスジュースの定番であるバナナを入れず、すっきりさわやかな後味に仕上げているのも特徴だ。

また、店頭ではコーヒー豆のほかオリジナル商品の販売も行っている。コーヒーを隠し味に使った「特製ビーフカレー」や「珈琲羊羹」など土産にもぴったり。帰り際はレジ周りの商品棚をチェックするのを忘れずに。

なお、現店舗は2025年4月15日(火)に閉店し、大阪駅前第3ビル地下2階へ移転することが決定している。新店舗の開店は、5月中を予定しているとのことだ。

  • カフェ・喫茶店

「新梅田食道街」のJR大阪駅側にある、1968年にオープンした純喫茶。同じく「食道街」の阪急大阪梅田駅側にある「梅田珈琲館ニューYC」とともに、半世紀以上大阪の人々に愛されている。店名の「YC」とは、店を始めた業務用コーヒーの販売会社である「山本珈琲(Yamamoto Coffee)」が由来だ。

店は、趣のある1階エントランスから階段を上がった2階に広がる。古民家をイメージしたという店内の棚の上に並ぶのは、オーナーがヨーロッパなどで集めたという古いコーヒー関連の器具。これらが醸し出す「いい風合い」は、長く続いている店だからこそ感じられるものだろう。

ゆったりとした雰囲気の中で楽しめるのは、コーヒーをはじめとする各種ドリンクやサンドイッチ、プリンなど。ほとんどのメニューは梅田珈琲館ニューYCと共通だが、いくつか店限定のものもある。

例えば「カツサンド」は、梅田珈琲館ニューYCがデミグラスソース味なのに対し、梅田珈琲館YCは八丁味噌を使った味噌味だ。限定メニューを求め、2店をはしごするというのもいいかもしれない。

大阪の食を満喫するなら……

大阪名物といえば、やはりたこ焼きだろう。定番のソースやポン酢だけでなく、「オルタナティブ」と形容すべき、斬新なフレーバーも近年人気上昇中だ。

それぞれの店の個性が光るたこ焼き。ハシゴして食べ比べするのもいいかもしれない。ミシュラン「ビブグルマン」を獲得している老舗から、比較的近年オープンしたヴェニューまで紹介する。

大阪を代表する「粉もん」料理の一つ、「お好み焼き」。関西では家庭で食べられるものでもあるが、大阪のお好み焼きの店舗数は全国指折りを誇る。ジュウジュウとソースが焼ける音と香ばしい匂いに包まれ、わいわい言いながら一つのお好み焼きを分け合うのは、大阪らしいひとときだ。

ここでは、お好み焼きのルーツといわれる「一銭焼き」の店からグルテンフリーのお好み焼きを提供する店まで、厳選して5店を紹介する。本場の味をぜひ楽しんでほしい。

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スパイスカレーの聖地とも言われる大阪。4年連続でミシュランガイドに掲載されたレジェンドや、一部で「幻」と呼ばれているカレーなど、さまざまなタイプに分かれている。

食欲をかき立てられるスパイスの香りを思い切り吸い込み、見た目も美しいカレーたちに心をときめかせたい。食い倒れの街、大阪で、めくるめくカレー探しの旅に出よう。

  • ラーメン

大阪グルメといえば「粉もん」の名が上がる。麺類の代表格は「うどん」であり、人口あたりのラーメン店はけっして多くはない大阪だが、むろん行列のできる名店は存在する。

2022年にオープンした異色の経歴を持つオーナーが手がける店から、高井田系といわれる東大阪発祥のご当地ラーメンを提供する店まで厳選して4店を紹介する。粉もん文化の中で揉まれて育まれた大阪ラーメンをぜひ味わってほしい。

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  • ワインバー

日本はナチュラルワインの輸入大国といわれるほど、ナチュラルワインに親しんでいる。現在では若手を中心に、日本でもナチュラルワインを産するワイナリーが増えている。土地の個性を生かしているため、味わい深く、和食と相性がいいのも魅力だ。

ここでは、大阪の都市型ワイナリーをはじめ、絶品のペアリングが楽しめる店や日本産ナチュラルワインを知り尽くしたソムリエールがオーナーを務める店など、日本産のナチュラルワインにほれ込んだ大阪のワインバーやレストランを厳選して5店舗を紹介しよう。

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