「イチオン コンテンポラリー(ICHION CONTEMPORARY)」で、戦乱を生き抜き、国際的舞台で独自の言語を形成した戦後日本を代表する画家、川端実(1911〜2001年)の個展が開催。1950年代後半の紙作品に見られるストロークの実験、大画面における構成的探究、1970年代以降に追求された色彩と形態の統合、そして1980年代以降の洗練された造形言語へと至る流れを一望する。
戦乱の中でニューヨークへ移動し、1941年に帰国を余儀なくされた川端。激動の時代を背景に始まったその歩みは、後に国際的な舞台で展開される作品に深い緊張感と独自性を刻み込んだ。
戦後、川端は具象から離れ、色彩と形態の関係を根本から問い直す。1953年には吉原治良らと「日本アブストラクト・アート・クラブ」を設立し、前衛美術の重要な担い手として注目を集めた。
1958年から、抽象表現主義最盛期のニューヨークに拠点を置いた川端は、ジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)らを世に送り出した「ベティ パーソンズ画廊」と契約し、「グッゲンハイム賞国際美術展」での受賞を通じて国際的評価を確立。アメリカ的なスケールや物質性を吸収しながら、日本的な筆致や余白の感覚を融合させた作品は、東西の感性が交錯する独自の表現領域を築いた。
本展での作品群は、常に「色とかたちの間」に潜む可能性を探り続けた画家の姿を示している。川端の表現は、理知的な分析を超えて感覚と直観に訴えかけ、今なお新たな視覚体験をもたらすだろう。
※11~18時(10月18日は17時まで)/入館は閉館の30分前まで/休館日は日・月曜・祝日/入場は無料




