「i GALLERY OSAKA」で、ワルシャワを拠点に活動するアーティスト、リア・キムラ(Lia Kimura)による個展「Remnants」が開催される。「Remnants」とは、何かが失われた後に残る断片を意味する言葉。本展では、像が消失へと向かう過程で立ち現れる、言葉では捉えきれない存在の気配に焦点を当てる。
キムラの絵画の特徴は、人物を描くことそのものではなく、その像が不安定になっていく過程に重きを置いている点にある。画面には確かに誰かの姿が存在するが、その存在は次第に判別しがたくなり、輪郭や表情、身体性はゆるやかに揺らいでいく。そこには単なる抽象化や視覚的効果を超えた、現代における人間存在の不確かさが映し出されている。
日本とポーランドという複数の文化的背景の狭間で育ったキムラは、一つの場所や属性、定義へと還元されない感覚を、絵画という身体的なメディアを通して表現してきた。作品の中でイメージは完成へ向かうのではなく、崩れ、擦れ、留まりきれないまま変化を続ける。しかし、その不安定さは欠落としてではなく、鑑賞者の記憶や感覚を呼び起こす「余白」として機能している。
※12〜19時/休廊日は火曜/入場は無料



