村上春樹ライブラリーが早稲田大学に10月1日オープン

予約は9月14日から、設計は隈研吾、原稿や資料、レコードなどを寄贈

Emma Steen
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Emma Steen
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※2021年9月14日更新

若者の「本離れ」や書籍のデジタル化により、新しく公共図書館が建設されることがほとんどなくなってしまった。しかし本好きにとって、独自の雰囲気が漂う図書館は特別な場所だ。

2021年10月1日(金)のオープンを予定している早稲田大学国際文学館の事前予約が、9月14日(火)にスタートした。この施設は国際文学や翻訳文学、そして村上春樹文学の研究に取り組めるよう建設中の新しい図書館。早大出身の作家、村上春樹が自身のレコードコレクションや『ノルウェイの森』などの代表作から貴重な資料を寄贈するため、村上春樹ライブラリーとも呼ばれている。また、50言語以上に訳された村上の翻訳本も所蔵される予定だ。 

Kengo Kuma Library
Photo: ©Kengo Kuma & Associates

設計を担当するのは隈研吾。1階は村上の書斎をイメージしたスペースで、2階は学生が研究に使うライブラリーとなる。さらには、村上ワールドにどっぷりと浸れそうなカフェ、橙子猫やオーディオスペースも併設。橙子猫は、村上が学生時代にジャズ喫茶を開業し、専業作家となるまで経営していたことを受け、経営は学生が担う。この試みは早稲田大学としても初の試みという。

は「単に本を展示するだけの場所ではなく、コーヒーを飲みながら村上作品や文学の未来について語り合えるような『生きたライブラリー』にしたい」と、コメントしている。

演劇を専攻していた村上が、学生時代によく通ったというのが、キャンパス内にある坪内博士記念演劇博物館だ。思い入れの場所ということもあり、新図書館は博物館横にある4号館の一部にリノベーション建設される

事前予約は、早稲田大学の特設ウェブサイトで受け付けている。新型コロナウイルス感染症対策の一環で、当面の間、来館予約は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県在住の人しかできない(同大学生、大学院生、教職員は除く)。予約は、4つの指定時間帯から選択する方式で、先着順となっている。来館希望日の1カ月前から予約受け付けを開始し、1回あたりの定員は30人。予約可能人数は3人までとなっている。予約なしでは入場できないので注意しよう。

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