世界中が注目する振付家、ダンサーの勅使川原三郎によるシアターX(カイ)でのダンス公演。同劇場で勅使川原が展開してきた、「言葉と音楽とダンス」をテーマにした連続公演では、これまでにもブルーノ・シュルツやガブリエル・ガルシア=マルケスといった文学を題材にして、名作を生み出してきた。今回の作品のモチーフとなるのは、リヒャルト・ワーグナー作曲の同名の楽劇。ケルトに起源を持つと言われる、究極の愛の物語だ。2016年6月に『アップデイトダンス』シリーズの1作品としてKARAS APPARATUSにて初演された同作だが、劇場という空間でどのような進化を遂げるのか。もはや勅使川原作品には欠かせない存在となったダンサー佐東利穂子の熱演にも期待したい。