甘露七福神
Photo: Kisa Toyoshima

パブリックキャット 第32回

甘味処の看板猫:サブ(6歳)東京、巣鴨の甘露七福神にて

テキスト:
Shiori Kotaki
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テキスト:Shiori Kotaki、写真:Kisa Toyoshima

とげぬき地蔵尊の名で親しまれている高岩寺をはじめ、名物の塩大福を販売するする和菓子店や煎餅屋、婦人服店など、どこかノスタルジックな香りのする巣鴨地蔵通り商店街は、観光客の姿も多く見られる巣鴨の人気のスポットだ。様々な店が所狭しと並んでいるので商店街を歩くだけでも十分満足できてしまうが、身体に優しい甘味と大きな体の看板猫に癒されたい人は、商店街から1本入った小道まで探索してみよう。メインの通りを少し入ったところ、とげぬき地蔵尊のすぐ近くに店を構える甘露七福神を訪ねると、女性客に撫でられて気持ち良さそうな看板猫のサブ(6歳)が迎え入れてくれた。

Photo: Kisa Toyoshima

名前:サブ(♂)
チャームポイント:大きな体(体重は7、8kg)
性格:おおらかで誰からも好かれる性格。しかし、ハンターの一面も持っており、狙った獲物は逃さない
好きなこと:顎を撫でられること、紐で遊ぶこと

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サブがこの店にやってきたのは、3年ほど前のこと。今でこそ立派な体のサブだが、そのときは怪我を負っており、かなり痩せ細っていたという。しかし、すぐに病院に連れて行ってもらえたこともあり、今では元気に看板猫として活躍している。また、気分によっては来店客をドアのところまで見送りに行くこともあるそうで、かなり優秀な働きぶりだ。
Photo: Kisa Toyoshima

サブの広い背中とプニプニの首

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毎朝、店主に背負われて自宅から出勤しているというサブ。時々、疲れが溜まってしまったときは家で留守番をすることもあるが、やる気がある日は「行こう!行こう!」と言わんばかりに店主よりも先に玄関まで出て行くそうだ。また、話をするのが上手で、徒歩5分ほどの出勤時間中はずっと店主に話しかけている。ちなみに、なんだかいつもよりも騒がしいなと思ったときは、トイレに行きたいとアピールしているときなのだそうだ。
Photo: Kisa Toyoshima

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そんなサブには仲の良い友達が2匹いる。通い猫のチビ(13〜14歳/♂)とクロ(3歳/♀)だ。この2匹は、非常にサブのことを慕っており、クロを受け入れられなかったチビとクロの仲をとりもったのもサブだったという。また、長年絶対に店内に入ってこなかったチビも、サブが店にやってきてから店のなかに入ってくるようになったといい、チビの人見知りも克服させたそうだ。今となっては3匹ともとても仲が良く、よく皆で散歩に出かけている。
Photo: Kisa Toyoshima

店のなかでは爪研ぎの上が定位置のチビ。以前よりは克服したものの人見知りな性格

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Photo: Kisa Toyoshima

クロ。取材中、ほんの一瞬だけひょっこり顔を出してくれた

Photo: Kisa Toyoshima

サブとチビは同じ皿から餌を食べる仲。客が帰った後には体を寄せ合いながら眠っていたり、お互いにあくびがうつったりすることもあるそうだ

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また、サブは顎を撫でられることと、紐で遊ぶことが大好き。優しく顎を撫でると、とても気持ち良さそうな顔をみせる。しかし、紐が出現すると、それとはまったく別のハンターの顔つきに。筆者もじゃらしてみたものの、すぐに紐を取られてしまった。さすがの洞察力と攻撃力である。
Photo: Kisa Toyoshima

顎を撫でられて気持ち良さそうなサブ

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Photo: Kisa Toyoshima

紐が登場した瞬間、ハンターの目つきに

Photo: Kisa Toyoshima

ハンターとしての力を発揮し、様々なものを捕まえてきてしまうというサブ。鳩をハントしてきた際には、店の人がその鳩を病院に連れて行ったり、飛べるようになるまで看病したなんてこともあったそうだ

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最初はキリッと目を見開いて紐に夢中になっていたものの、今日はどうやら疲れていた模様。最終的には、顔に紐を乗せられても、爪に紐を引っ掛けて前足を上げ下げされてもまったく動じない、されるがままの状態になっていった。
Photo: Kisa Toyoshima

されるがままのサブ 1

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Photo: Kisa Toyoshima

されるがままのサブ 2

Photo: Kisa Toyoshima

されるがままのサブ 3

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さらにその直後、なにやら音が聞こえるなと思ったら、なんとサブがいびきをかきながら眠っていた。急に遊ぶ気力をなくしたり、勤務中にもかかわらず昼寝をしたりと、なんともマイペースな奴である。
Photo: Kisa Toyoshima

すやすやと夢の中へ......

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椅子を2つも占領してしまうほどの大きな体と同じくらいに、広く、優しい心を持つサブは、チビやクロをはじめ、店を訪ねる人や近所の人など、多くの人に愛される存在だ。そして、そのおおらかさは、日頃ストレスフルな生活を送る人々の心も優しく包み、十分に癒してくれることだろう。巣鴨へ足を運んだ際は、こんな愉快な3匹に出会うべく、ぜひ甘露七福神に立ち寄ってみてほしい。
Photo: Kisa Toyoshima

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名前:サブ(♂)
勤務先:甘露七福神
看板猫になるまでの経緯:3年前、怪我を負って店にやってきたところを店主に助けられたことがきっかけ

—ある1日のスケジュール—
11時 店主と一緒に自宅から出勤し、店のオープンと同時に仕事開始
18時 店が閉まるのと同時に仕事終了(散歩に出かけていても、18時になると店に戻ってくる)

甘露七福神
  • レストラン
  • 巣鴨

とげぬき地蔵尊横の路地にある、マクロビオティックの甘味処。白砂糖、乳製品、卵、人工甘味料、着色料を使わず、甜菜糖や豆乳、有機農法の豆類や雑穀類、果実といった天然素材で作った甘味を提供している。ラインナップは、『塩あんみつ』(850円)や『白玉ぜんざい』(850円)などといった甘味メニュー。餡作り50年の職人が作る甜菜糖のこだわり餡を、ぜひ味わってみてほしい。

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