BPM ビート・パー・ミニット

映画, ドラマ
4 5 つ星中
BPM ビート・パー・ミニット

1990年代のパリを舞台にエイズ危機と向き合う団体を繊細かつ情熱的に描いたドラマ

死ではなく生としてのセックスと向き合う本作は、1990年代初頭のパリを舞台に、エイズ活動家団体「アクトアップ(ACT UP)」の議論や抗議運動が描かれる。毎週行われる定例ミーティングや、『ゲイ・プライド・アワード』をはじめ、製薬会社のオフィスや学校の校庭、あるいは政治家のスピーチの最中に行われる過激な行動を通して、彼らの活動を追っていく。本作は大衆のドラマであり、集団の団結についてたくみに描写している。物語は、仲間のナタン(アルノー・ヴァロワ)と恋に落ちる、グループの中心的な存在であるショーン(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)に焦点が当てられる。その後ショーンは、自身の診断結果と死にゆく運命を受け入れることになるのだ。

脚本と監督を務めるのは、2008年のパルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』で共同脚本を務めたロバン・カンピヨ。同作の教室でいきいきとした議論が行われるシーンを覚えているならば、砕けた雰囲気で活発な議論が交わされる集会の様子には馴染みがあるだろう。『BPM ビート・パー・ミニット』は、議論と集団行動を映し出し、社会運動での画期的な出来事を称賛し、活動を思い出すためのアンサンブルのような作品になっている。決して退屈ではなく、 活力に満ちた集団の物語で、彼らのユーモアが避けられない死の行進を明るくしている。

音楽を手がけたのは、エレクトロ ロック ユニット、ブラック・ストロボのメンバーアルノー・レボティーニだ。登場人物からインスピレーションを受けて制作された楽曲から、猛烈なまでに前へと進もうとする勢いが感じられる。その前進は、哀悼と喪失の重みによって足かせを掛けられ、減速することもある。上昇の後に下降があり、肩を落とすことは、適切で真実らしく感じた。個人的な場面が秀逸に描かれており、ショーンとナタンのセックスシーンは美しく描かれている。終盤には繊細で感動的な物語が描かれており、政治闘争とは結局、愛と生死に関わるものだということを思い出させてくれた。

原文:DAVE CALHOUN
翻訳:小山瑠美

2018年3月24日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町などにて全国公開

掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督 Robin Campillo
脚本 Robin Campillo, Philippe Mangeot
出演 Adèle Haenel
Yves Heck
Nahuel Pérez Biscayart
Arnaud Valois
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