犬ヶ島

映画, アニメーション
4 5 つ星中
犬ヶ島

ウェス・アンダーソンによる奇抜なストップモーション アニメーション映画

ウェス・アンダーソンの新作『犬ヶ島』は、近未来の日本を舞台に描かれる。鼻風邪と犬インフルエンザの大流行後に、「メガ崎市」から追放された犬たちは、ゴミ処理場の島に隔離され、ゴミの山に囲まれながら生活するようになった。美しいプードルたちは、すぐに自分たちが喧嘩っ早い野良犬たちと対等な立場であることを悟る。犬たちの声は、アンダーソン作品でおなじみのキャストたちが演じている。リーダー犬のレックス(エドワード・ノートン)や、しゃべり好きなデューク(ジェフ・ゴールドブラム)、スポーツのマスコット犬のボス(ビル・マーレイ)、俳優犬のキング(ボブ・バラバン)らだ。

物語は、追放された愛犬スポッツを探しに、12歳の小林アタリが、ゴミ処理場の島に小型飛行機で着陸したことから始まる。アタリは、スポッツを番犬として飼っていたが、メガ崎市の市長である叔父にゴミ処理場の島に真っ先に追放されていたアタリは危険な島を散策するために犬の群れに協力を頼み、傍観しながらうなるだけだったチーフ(ブライアン・クランストン)が思いもよらない協力者として現れる。本作は少年と犬の絆の描写に全力を尽しており、その焦点は妙に感動的である。

チーフとナツメグ(スカーレット・ヨハンソン)との間に映画『わんわん物語』のようなロマンスが芽生える可能性があるにもかかわらず、雌犬たちはサブキャラクター的な存在になっていることも語っておかなければならない。鳴り続ける和太鼓の音楽から、古ぼけた機械的なケーブルカーまで、スタイル的には紛れもなくアンダーソンの作品だ。愛情を感じるが、あまり敬意を払っていないような方法で、日本文化からユーモアを引き出している。文化の盗用という非難から逃れるのは容易ではないだろう。アンダーソンの作品は、変わらず視覚的にも物語的にも均整美は折り紙付きだ。ただし、にぎやかな本作は、映画『グランド・ブタペスト・ホテル』のような静穏さと、開いた口が塞がらないほどの美しさを欠いている。また、映画『ファンタスティック Mr.FOX』ほど包括的で満足感が得られるわけでもない。しかし、彼のファンならばなんとしても見逃したくない作品だ。

原文:ANNA SMITH

翻訳:小山瑠美

2018年5月全国公開

掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督
Wes Anderson
脚本
Wes Anderson
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