レディ・バード

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レディ・バード

映画『フランシス・ハ』『20センチュリー・ウーマン』などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが監督と脚本を務めた本作は、女同士の絆に敏感な女子の青春時代を描いた私的な物語だ。魅力的なまでに自由な若きリズムで羽ばたいている。ガーウィグが監督を務めるのは2作目だが、彼女にはカメラの裏側でさらに活躍してほしいと思わせる作品である。さらに、女優のシアーシャ・ローナンの魅惑的な演技によって高められ、高校生活最後の年という刺激的で混乱した時期の物語を巧みに描いている。

主人公は、カトリック系の女子高で最終学年を過ごす、反抗的で頑固なクリスティン・“レディ・バード”・マクファーソン(ローナンが型破りで無秩序なキャラクターに徹している)だ。時代は2002年。9.11同時多発テロ事件が起こったばかりで、イラク戦争の緊張が高まり、携帯電話がスマートフォンに進化して10代の生活がより一層複雑になる前の頃である。レディ・バードは、頑固な母親マリオン(ローリー・メトカーフ)と口論し、気立ての良い親友ジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)と怠けて過ごし、閉塞感のある故郷サクラメントから離れたリベラルな東海岸の大学に進学することを夢見る日々を送っていた。そんな彼女の計画は、とくに父親のラリー(トレイシー・レッツ)が失業した後には、中流階級の家族が抱える経済的な問題とは無関係のように描かれる。

本作は、女性の成長を痛快に描く映画として、映画『ミニー・ゲッツの秘密』と『スウィート17モンスター』の仲間入りを果たしている。不格好なガラケーや、バラード『クライ・ミー・ア・リヴァー』の組み合わせ程度のわずかなノスタルジアで、近年という時代を表現していた。思慮深く、寛容で、脇役に呼吸して成長する余地を与える貴重な合唱曲のような本作では、恋愛対象の2人(ルーカス・ヘッジズとティモシー・シャラメ)と、楽観的な修道女(ベテラン女優のロイス・スミス)の好演も光る。母親と娘、忘れることはない少女時代を過ごした故郷にささげる愛のオードのような作品だ。


原文:TOMRIS LAFFLY

翻訳:小山瑠美

2018年6月1日全国公開

公式サイト

掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督 Greta Gerwig
脚本 Greta Gerwig
出演 Saoirse Ronan
Lucas Hedges
Timothée Chalamet
Danielle Macdonald
Laurie Metcalf
Beanie Feldstein
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