マネー・ショート 華麗なる大逆転

映画, ドラマ
4 5 つ星中
マネー・ショート 華麗なる大逆転

豪華キャストが勢揃い。金融危機の裏側に迫り、狡猾な人々がいかにして巨額の富を築いたのかを描き出す。監督を務めたのは、映画『俺たちニュースキャスター』のアダム・マッケイ。

実在の人物であるヘッジファンドマネージャーのマイケル・バーリ(クリスチャン・ベールがアスペルガー症候群に近い強烈な演技を見せる)は、オフィスでヘヴィメタルを爆音で鳴らしながら、返済の見込みの少ない住宅ローンに関して膨大な資料を分析している。劇中でナビゲーターの役目も務めるジャレッド・ベネット(ライアン・ゴズリングが興奮状態で演じる)は、エグゼクティブ専用トイレに立ち寄り、同僚に対して大声で叫ぶ。投資コンサルタントのマーク・バウム(スティーブ・カレル)は、より忍耐強いニューヨーカーたちからタクシーを横取りし、高圧的な雰囲気で行われるはずのミーティングへと急ぐ。

本作では、この男たちがある種のヒーロになる。2008年のアメリカで起こった金融破綻を、彼らのようなごく一部の人間だけが数年前に予見していた。この不愉快極まりない集団を中心に、ストーリーは構築される。原作は、2010年にマイケル・ルイスが発表したベストセラー小説『世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち』。同作にも描かれているが、彼らは銀行に対して大きな賭けに出て、何10億ドルもの年金や貯金は、はかなくも消え失せてしまう。

まるでギリシャ神話に登場する孤立した悲劇の預言者のような熱狂に、観客は飲み込まれてしまう。そして、エコロジー意識の高いトレーダーを演じる髭面のブラッド・ピットによって、無数の人々の生活が破滅させられるのだ。

映画『俺たちニュースキャスター』などを手がけたアダム・マッケイ監督は、この題材について過去に扱ってきたどの監督よりも、金融危機をエゴの悲鳴だと捉えている。劇中に登場するエージェントは多数の住宅を貧困層のストリッパーに売りつけて、今やストリッパーとワニは使われていないプールで暮らす。監督のおどけたユーモアは、スタンリー・キューブリック監督による映画『博士の異常な愛情』にも通じるものがある。世界経済の破綻が痛快に描かれているが、これは実際に起きたことだ。アイデアが曖昧な部分も見られるが、世紀の犯罪を充分楽しめるエンターテインメントとして描かれており、彼らがその一世一代の大勝負に勝利したことを知らしめている。
 
 
2016年3月4日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
 
(C)2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. 
 
 
テキスト: JOSHUA ROTHKOPF
翻訳:小山瑠美

By Joshua Rothkopf

掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督
Adam McKay
脚本
Adam McKay, Charles Randolph
出演
Brad Pitt
Finn Wittrock
Christian Bale
Steve Carell
Ryan Gosling
Marisa Tomei
John Magaro
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