ゲット・アウト

映画, ホラー映画
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ゲット・アウト

コメディアンのジョーダン・ピールがカメラの後ろに立ち、知的なホラーコメディが誕生した

ホラー映画『ゲット・アウト』は、映画『ゼイリブ』などで知られる、監督ジョン・カーペンターが 思わずほくそ笑んでしまいそうな魅力ある作品だ。観客に死の恐怖を与えるのではなく、実社会で埋もれつつある人種間の緊張を戯画化したユニークなストーリーが展開する。人によっては、少し期待はずれだと感じるかもしれない。

劇中では、黒人にとって白人のガールフレンドの両親に会うことは、躊躇(ちゅうちょ)してしまう部分がある、ということに少し執着している。 若いカメラマンのクリス(ダニエル・カルーヤ)は間違いなくローズ(アリソン・ウィリアムズ)を愛しているが、それでも人里離れた彼女の両親の屋敷への訪問は彼を不安にさせる。往路の途中で起こった、突然飛び出してきた鹿との衝突事故もクリスのささくれだった神経を逆撫でし、シカが死に際に彼を見つめる視線はあたかも警告を与えているかのようであった。

クライマックスに至るまでの展開は、観客にいつまでも観ていたいと思わせるほど切れ味が良い。不自然なほどに愛想の良い2人の大人(キャサリン・キーナー、ブラッドリー・ウィットフォード)の登場や、セリフの言い回しを通して、リベラルな白人の特権を滑稽に描き出している。その一方で、黒人使用人への、ローズの両親の寛大さと、クリス自身の独立心の葛藤を繊細に描き出している。

脚本と監督を務めたのは、コメディ・セントラルチャンネルのエッセンスが詰まっていた番組『キー&ピール』のジョーダン・ピールだ。彼の野心的なデビュー作品に拍手喝采したいところだが、彼が培ってきた技術は映画では失われている。『キー&ピール』全盛期の作品の多くは『シャイニング』などのパロディ作品に見られるように、そのものがミニチュアの悪夢のようだった。一方『ゲット・アウト』ではストーリー上の秘密の明かし方がやや大雑把で、観客はいつもならばピールが巧妙に用意する、壮大な自己負罪的なコメンタリーを待ちぼうけることになる。完璧なピール作品の完成は次回作に期待したい。

原文: JOSHUA ROTHKOPF

2017年10月27日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

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掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督 Jordan Peele
出演 Daniel Kaluuya
Allison Williams
Catherine Keener
Bradley Whitford
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