エベレスト 3D

映画, アクション&冒険
4 5 つ星中
エベレスト 3D

バルタザール・コルマウクル監督が手がけたディザスタームービーは、見る者に息をつかせず、眩暈すら覚える身体的経験を味わわせる。

映画『エベレスト 3D』は、実話に基づいた無慈悲な遭難事故を扱った作品である。観客を世界最高峰の山頂付近に取り残し、登頂の夢を叶えるはずが悲劇の展開を迎えるツアー参加者の一員になることをあえて想像させられる。共同脚本のウィリアム・ニコルソンは映画『グラディエーター』、サイモン・ボーファイは映画『127時間』を手がけた経歴を持つが、本作では前者で見られる「たくましくも時おり感傷的になる力強さ」と、後者に大きな成功をもたらした「優れた身体持久力に関係する感覚」が組み合わせられている。

人間と苛酷な環境の闘いを描いたスペクタクル映画『ゼロ・グラビティ』のように、本作は自然への畏怖、特殊効果、3D映像におおいに依存している。宇宙に広がる暗闇と同様に、バルタザール・コルマウクル監督によるカメラがエベレスト山頂のちょうど真上を移動しながら映し出す巨大な岩塊、雪、氷は、恐ろしくもあり神秘的であった。

全編にわたって死と隣合わせである空気感が漂い、出演俳優たちの中で誰が生存するのかということを考えざるをえない。また、死の必然性が描かれていることで、観客は鑑賞することを一層辛く感じる。登山の専門用語を話すベテランのうち誰が最終的に命を落とすのか。おそらくジョン・ホークスが演じる、学校の生徒からの寄付を一部に利用しながら参加した優しく穏やかな郵便配達員か。または、ジョシュ・ブローリンが演じるテキサスの大富豪一家出身の男性か。それとも、ジェイソン・クラークが演じる愛想の良いチームリーダーか。はたまた、ジェイク・ギレンホールが演じるエクストリームスポーツ野郎だろうか(彼は90年代半ばに登場した世界中を旅行するアウトサイダー文化の象徴で、スターバックスが格好良いと考え、波瀾万丈のエベレスト登山で機能するはずの商業的なアウトフィットを損傷させる)。

致命的な滑落や、天候に叩きのめされる感覚に、観客は身悶えしながら、残された者たちの感情的苦痛にも対面する。彼らの妻たちをロビン・ライトとキーラ・ナイトレイ、山の途中で衛星電話を受け持つベースキャンプのコーディネーターをエミリー・ワトソンが演じている。涙を誘う展開を迎え、いやに感傷的な領域に入る。しかし、バルタザール・コルマウクル監督が非常に説得力のある世界(映画の技術が驚異的だ)を作り上げているので、あるときには天国ですぐ次には地獄へと変わる場所まで登るとはどういうことだろうと完全に引き付けられる描写を優先するあまりに、作風がやや繊細さに欠けるのも許容したくなるだろう。

 
2015年11月6日(金)TOHOシネマズ日劇、新宿ほか全国公開
 
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テキスト:Dave Calhoun
翻訳:小山瑠美
 

(C) Universal Pictures

掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督
Baltasar Kormákur
脚本
Simon Beaufoy, William Nicholson
出演
Keira Knightley
Jake Gyllenhaal
Robin Wright
Jason Clarke
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