エイリアン:コヴェナント

映画, ホラー映画
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エイリアン:コヴェナント

リドリー・スコットが映画『エイリアン』シリーズとともに戻ってきた

マイケル・ファスベンダー(Michael Fassbender)のことを考えると服を脱ぎ捨てたくなるなら、本作はそれを治療する特効薬になるだろう。彼が演じる不気味なアンドロイドのデヴィッドは、2012年にリドリー・スコットが発表した映画『エイリアン』の前日譚(ぜんじつたん)となる『プロメテウス』に登場したキャラクターだ。スコットは、人間に寄生して肉を食い破る生命体で溢れかえった宇宙船よりも、デヴィッドこそ恐ろしい存在であることを描いている。

物語の舞台となるのは、宇宙船プロメテウス号の乗組員が人類の起源の真実を探し求める任務でエイリアンの餌食となってから10年が過ぎた2104年。人類移住計画を実行するために造られた宇宙船コヴェナント号は、カプセルで冬眠する男女2000人と、新天地で人口を増やすための人間の胚を乗せ、遠くの惑星を目指して宇宙を航海していた。

スコットはかつて『エイリアン』の「前半45分間には何も起こらない」という冗談を語っていたが、今回は異なる。本作では前半でコヴェナント号がアクシデントに見舞われ、船を制御するコンピューターのマザーが冷凍睡眠していた15人の乗組員を7年早く覚醒させるのだ。少々出来すぎた話かもしれないが、近くの惑星を探索すると、人間が呼吸できる大気があり、居住可能に見える環境であることが判明する。


本作では最強の女性リプリーの役割を引き継ぎ、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に出演した注目の女優キャサリン・ウォーターストン(Katherine Waterston)が、科学者ダニエルズを熱演する。ほかの乗組員は、いずれエイリアンの餌食になりそうな、科学オタクと宇宙船を操作するローテク野郎だ。そして、全員が眠りにつくなかで宇宙船を管理するのが、アンドロイドのデヴィッド(コヴェナント号では、ウォルターと呼ばれている)。彼はデヴィッドを再起動させたアンドロイドなのか、それとも別のアンドロイドなのか。

本作はまさにデヴィッドとウォルターの物語だ。理由を説明するとネタバレになってしまうので詳しくは書かないが、ファスベンダーの演技は素晴らしく、虫唾(むしず)の走るような演技を披露していた。脚本は巧妙かつ深く、「人間とは何なのか」、「人間の起源はどこにあるのか」という大きな問題を視聴者に問いかけている。過去のシリーズでは、悪夢を見てしまいそうな忘れられないシーンが描かれてきた。『プロメテウス』のエイリアンを体内に宿したノオミ・ラパス(Noomi Rapace)が自ら帝王切開手術を行うシーンや、『エイリアン』の幼体チェストバスターによって胸部が突き破られるシーンだ。本作にはそのような印象的なシーンが欠けていた。しかし乗組員が硬直し、彼らの身体を突き破ってエイリアンが登場する度に、シリーズの原点を想起させた。

原文:CATH CLARKE
翻訳:小山瑠美

2017年9月15日(金)全国公開

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掲載日

リリースの詳細

出演者と制作者

監督
Ridley Scott
出演
Michael Fassbender
Billy Crudup
Katherine Waterston
Danny McBride
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