9月に公開される注目の映画5選

Mari Hiratsuka
テキスト:
Mari Hiratsuka
広告

タイムアウト東京が注目する、今月公開の映画を紹介。秋の訪れを感じる9月は、アクションや人間ドラマ、音楽ドキュメンタリー、そして少しスピリチュアルな作品が公開される。なかでも注目は、9年ぶりの新作となるエミール・クストリッツァの映画『オン・ザ・ミルキー・ロード』や、ナタリー・ポートマンとリリー=ローズ・デップが姉妹役で共演した映画『プラネタリウム』だろう。ここでは5作品を公開日順に紹介する。

エイリアン コヴェナント』※2017年9月15日(金)公開

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved 

監督:リドリー・スコット

リドリー・スコットが映画『エイリアン』シリーズとともに戻ってきた。物語の舞台となるのは、宇宙船プロメテウス号の乗組員が人類の起源の真実を探し求める任務でエイリアンの餌食となってから10年が過ぎた2104年。人類移住計画を実行するために造られた宇宙船コヴェナント号は、カプセルで冬眠する男女2000人と、新天地で人口を増やすための人間の胚を乗せ、遠くの惑星を目指して宇宙を航海していた。本作では最強の女性リプリーの役割を引き継ぎ、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』に出演した、キャサリン・ウォーターストン(Katherine Waterston)が科学者ダニエルズを熱演。脚本は巧妙かつ深く、「人間とは何なのか」、「人間の起源はどこにあるのか」という大きな問題を視聴者に問いかけている。組員が硬直し、彼らの身体を突き破ってエイリアンが登場する度に、シリーズの原点を想起させた。

『オン・ザ・ミルキー・ロード』※2017年9月15日(金)公開

(C)2016 LOVE AND WAR LLC

監督:エミール・クストリッツァ

奇想天外な着想と唯一無二の映像感覚で傑作を生み出してきたエミール・クストリッツァ。アルゼンチン出身の元サッカー選手ディエゴ・マラドーナのドキュメンタリー映画『マラドーナ』に続く9年振りの新作だ。戦争の混乱のなかで運命に翻弄される男の波乱万丈な人生を描いた本作では、クストリッツァが主演を務め、ヒロインをモニカ・ベルッチが演じている。

『サーミの血』※2017年9月16日(土)公開

(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION 

監督:アマンダ・ケンネル(Amanda Kernell

サーミ人の血を引く、監督自身のルーツをテーマにした本作。サーミ人とは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを飼い暮らし、フィンランド語に近い独自の言語を持つ先住民族のこと。本作では、スウェーデンの美しい自然を舞台に1人の少女の成長と差別に抗い生き抜く姿が描かれる。音楽を手掛けたのは、ラース・フォン・トリアー監督の『ニンフォマニアック』(2013)や『メランコリア』(2011)に携わったクリスチャン・エイドネス・アナスン(Kristian Eidnes Andersen)。

『プラネタリウム』※2017年9月23日(土)公開

(C)Les Films Velvet - Les Films du Fleuve - France 3 Cinema - Kinology - Proximus – RTBF 

 監督:レベッカ・ズロトブスキ(Rebecca Zlotowski

ナタリー・ポートマンと、ジョニー・デップとバネッサ・パラディの娘リリー=ローズ・デップが姉妹役で共演したことでも話題の本作。1930年代後半のパリを舞台に、死者と交信ができる美しき姉妹がショービジネスの世界に入り込んでいく過程がミステリアスに描かれる。実在したスピリチュアリズムの先駆者フォックス3姉妹とフランスの映画プロデューサー、ベルナール・ナタン(Bernard Natan)がモデルとなっているのも興味深い。

『スティールパンの惑星』※2017年9月23日(土)公開

監督:ジェローム・ギオ(Jerome Guiot

カリブ海最南端の島トリニダード・トバゴで生まれた楽器スティールパン。本作は、貧困と抑圧のなか少年たちがドラム缶を盗んできたことから生まれた、この打楽器のルーツを追ったドキュメンタリーだ。作中では70年以上も続くスティールパンの世界一を決める大会『ナショナル スティールバンド パノラマ コンペティション(通称パノラマ)』の熱狂的なシーンや、スティールパン奏者として活動する日本人の二ノ宮千紘も登場する。 

最新ニュース

    広告