道玄坂でコーヒーの香りとレーザーカッターの音に包まれる

テキスト:
Satomi Saruwatari
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国道246号線沿いに面した店内に響くのは自動車の走る音ではなく、様々な機械音と人々の会話。カフェと工作室をかけ合わせたような店、と言えば東京通はすぐにピンとくるだろう。道玄坂上にあるFabCafeは、「Fabrication(ものづくり)」と「Fabulous(愉快な、素晴らしい)」の意味を込めて「FabCafe」と名付けられた、立派なカフェだ。しかし、この意味を知らずに普通のカフェを想像してきた人は、中央に置かれた1m四方の機械を見て不安になるに違いない。「会員制?」「ノマド専用?」筆者が初めてここに足を踏み入れたときにとっさに頭をよぎったことだ。不安もつかの間、テーブル席に通されことなきを得たわけだが、コーヒーを飲みながら目は様々な音を発する機械に釘付けだった。今回はFabCafe100%楽しむべく、レーザーカッターを使ったスタンプ作りをレポートする。

予約なしでも機械は使えるが、確実に使いたい場合はあらかじめFabCafeのサイトから作りたいものを選択し、日時を予約する。今回はレーザーカッターを使ってオリジナルスタンプを作ることにした。スタンプ1つは30分ほどで作れるが、予約時間はレーザーカッターを使った作業を開始する時間なので、デザインはその前に作っておく必要があるので要注意。作ったスタンプは2つ。1つはタイムアウトの新しいロゴ、もう1つはiPadで描いた孫悟空だ。

データをスタッフに渡し、それを機械に転送するとすぐにレーザーカッターが動き始めた。ガラス張りの天板から中を覗くことができ、決められた範囲内をレーザーの白い光が一定の速度で行き来する様子は地味だがなかなか面白い。約5cm四方の小さなゴムの上に、白い煙に覆われながら絵柄が徐々に現れ始めた。

スタンプの完成を待っている間にやることが2つある。1つは、スタンプの土台となる、同じくレーザーカッターで作られた木製のキットを完成させること。もう1つは、ここがカフェであることを思い出し、注文した日替わりのサンドイッチとストロベリーティーソーダを飲むこと。フードは入店後すぐに注文するのだが、スタンプ作りに夢中になると存在を忘れてしまうのだ。ぜひ勧めたいのは野菜がたっぷり入ったサンドイッチ。12種類の旬の野菜を厚めの食パンに挟んだサンドイッチはかなりの食べ応えだ。ドリンクはスムージーや可愛らしいマシュマロの乗ったラテ、季節限定のメニューもある。また店内に響く機械音の1つ、コーヒーマシンで挽きたての豆で淹れたコーヒーを楽しめる。豆は数種類あり、常駐するバリスタに好みのものを選んでもらうのもいい。

絵柄がすべて現れたら、接着剤で土台にくっつけ完成だ。今回はレーザーカッターを使ってスタンプ作りを体験したが、FabCafeには3DプリンターやUVプリンターなどが設置され、オリジナルのフィギュアやフォトブロック、トートバックなどありとあらゆるものを作ることができる。また、トークイベントやワークショップなど、食とクリエイティブの観点から様々なイベントをコンスタントに開催。百聞は一見にしかず、何ができるかはその目で確かめてほしい。

FabCafeの詳しい情報はこちら

 

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