生まれ変わったBEAMS JAPAN、新宿から発信する日本の魅力とは

テキスト:
Satomi Saruwatari
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総合アドバイザーに放送作家の小山薫堂を迎え、日光金谷ホテルによるレストランが入居するなど、オープン前から話題の尽きなかったBEAMS JAPANが、2016年4月28日ついにオープン。世界中の「良いモノ、コト」を提案してきた日本を代表するセレクトショップが、そのフィールドを日本に限定し、全国津々浦々から集めた日本の「モノ、コト、ヒト」が館を埋め尽くす。まるでBEAMSが編集を手がける雑誌のようなセレクトショップだ。

1階のテーマは「祭」。天井に描かれた2頭の竜や鷹、それを囲う円形の照明が神社を連想させる。レジの周りには福岡県みやま市の線香花火や山形県長井市のけん玉など、バイヤー自ら足を運び日本各地で選んできた銘品が所狭しと並ぶ。ほかにも、イラストレーターの長場雄による限定TシャツやBEAMS JAPANのロゴ入りのマグカップなど、「新宿土産」をコンセプトに展開されたアイテムが買える。また、入り口左手にはイベントスペースがあり、現在は渋谷のBunkamura Galleryで開催中の『俺たちの国芳、わたしの国貞』展とコラボしたアイテムが販売中。国芳のスカルや幽霊がプリントされたスケートボードは必見だ。今後は総合アドバイザーの小山薫堂とのコラボイベントも予定されているそうだ。

テーラー東洋

2階は、日本が世界に誇る技術や素材をいかしたジャパンブランドが並ぶ「衣」のフロア。横須賀ジャンパー、通称スカジャンの老舗「テーラー東洋」との限定アイテムや、昔ながらの吊り編み機で作られた『ループウィラー』のスウェットは見逃せない。「眼」がテーマの3階は、2階と同じくジャパンブランドの洋服や小物を扱うが、BEAMSのために作られた別注品が多く並ぶ。その製法やデザイン背景を聞いていたら1冊の本になるのではと思うほどこだわり抜かれた、BEAMSの審美眼が光るアイテムたちだ。

宮大工、大場康司によるスケートボード

4階は東京カルチャー発信レーベル「トーキョー カルチャート by ビームス」が手がける「趣」のフロア。X JAPANのYOSHIKIが手がける着物ブランドや、イラストレーターYusuke Hanaiの掛け軸、福岡でラン専門店を営むアーティスト内田洋一郎による『コンバース』のシューズに植えられたランなど、サブカルチャーからファインアートまで様々なアーティスト作品を扱う。ひときわ目を引くブルーシートのボックスや、軽トラの飾り棚、階段すぐの卓球台はDIYユニット、GELCHOPが手がけた。

B GALLERYで開催中の浅井健一の個展『FRED & SUSAN』

いよいよ5階。アートスペースB GALLERYはそのままに、日本のクラフトを紹介する「Fennica Studio」がオープン。「匠」をテーマに、陶芸や織物など日本各地の工芸品を紹介する。襖で仕切られた一画では、栃木県益子市の陶芸家、濱田篤哉の作品を特集している。今後もイベントやワークショップが展開予定だ。

仙台木地製作所、佐藤康浩による『MOGA KOKESHI』

『新宿百年ライスカレー』

地下1階には1873年(明治6年)に創業した日本最古の西洋式リゾートホテル、日光金谷ホテルの名を冠した『NIKKO KANAYA HOTEL CRAFT GRILL』がオープン。BEAMS初となる飲食事業だ。同ホテルの名物『百年ライスカレー』をアレンジした『新宿百年ライスカレー』や、『大正カニクリームコロッケット』など、「日本の洋食」をコンセプトに個性豊かなメニューが提供される。買い物に疲れたら、優雅な食事を楽しむのもいいだろう。

全6フロアからなるBEAMS JAPANには、洋服、工芸、アートなどありとあらゆるメイドインジャパンが集約され、「インバウンド」という言葉こそ出さないが、創業40周年を迎えるBEAMSが手がける「日本百貨店」のような印象を受けた。BEAMS JAPANに置かれている、という一種のステータスが誕生し、様々な企業や工房、アーティストがそこを目指すようになる日も近いだろう。

BEAMS JAPANの詳しい情報はこちら

NIKKO KANAYA HOTEL CRAFT GRILLの詳しい情報はこちら

 

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