初の直営店が表参道に誕生、ネパール発のスキンケアブランドLalitpur

テキスト:
Shiori Kotaki
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『Lalitpur』というブランドを聞いたことがあるだろうか。『Lalitpur』とはネパール発のオーガニックスキンケアブランドで、商品としては石鹸やバスソルト、マルチバームなどを取り扱っている。これまではオンラインでの販売を中心にセレクトショップなどの一角で商品が販売されてきたが、2016年11月1日(火)、ついに表参道にフラッグシップショップをオープンさせることとなった。9月中旬にプレオープンした際にも多くの人が駆けつけていた話題のブランド。ここでは、販売される商品やそれらに込められている想いなど、多くの人を惹きつける『Lalitpur』の魅力を紹介する。

まずは『Lalitpur』を誕生させた代表の向田麻衣について紹介したい。彼女がネパールとの接点を持ったのは15歳のときで、ネパールで女性の識字教育などを行っていたNGOの高津亮平の講演を聴いたことがきっかけだった。規則的に刻まれる「コン、コン、コン」という音とともに、「3秒に1回、ネパールでは5歳に満たない子どもたちが食べるものがなく1人亡くなっています。僕の講演が終わるまでに何回この音が鳴るだろう」と語られた彼の言葉に衝撃を受け一瞬にしてネパールという国に心が引きつけられていったのだという。高津の話の向こう側を見てみたいという一心で、アルバイトで旅費を貯め初めてネパールへ旅立ったのは彼女が17歳のとき。それ以降は、女性たちに化粧を施して自尊心を引き出すきっかけ作りを行う『Coffret Project』などの活動を通してさらにネパールとの関係を深めていった。化粧を施すことで確実に現地の女性たちを笑顔に変えていったが、そのプログラムを行ってみて向田が新たに気付いたことは、失業率が4割を超えるネパールで彼女たちが仕事を見つけることは難しいということだった。そして、彼女たちが経済的にも自立していくことを支援できないかと考えたときに生まれたのが『Lalitpur』である。

『Lalitpur』代表の向田麻衣

冒頭で「ネパール発のオーガニックスキンケアブランド」と述べたように、『Lalitpur』の商品はすべてネパールで製造されている。しかも、材料を混ぜるところから石鹸を四角い形に切るところ、さらにはパッケージのラッピングまで1つ1つ丁寧に手作業で行われているのだ。石鹸などの商品自体は7人のネパール人女性が、ラッピングはシェルターで暮らす少女たちが担当。手作業だからこそ生まれるそれぞれの違いや個性も楽しんでほしいと向田は笑顔で語った。以下の動画は石鹸作りの様子が映されたもの。どのような行程で商品が作られているのか、作業風景をぜひ覗いてみてほしい。


 

パッケージにあしらわれているのは、日本のお守りにも使われている伝統的な飾り結び。これは『Lalitpur』のロゴとベーシックライン、メンズラインのデザインを手がけた『SIRI SIRI』デザイナー、岡本菜穂のアイデアだ。これだけのものが1本の紐から作られているとは驚きである。 

また、ネパールの自然の恵みを届けたいという想いから商品にはヒマラヤで採取された植物などがふんだんに配合されている。たとえば、標高5500mという環境にピンク色の可愛らしい花を咲かせるジャタマンシー。心を鎮めるほか、肌細胞の再生や修復を助け透明感のある肌へと導く効果があるとされている。『Lalitpur』のすべての石鹸にはジャタマンシーの根から取れるエキスがたっぷり配合されているが、あくまでも野生の植物。その環境のことを理解せずに取り過ぎてしまうと、今後ジャタマンシーがその地域からなくなってしまうことも十分にあり得る。そのため、植物の採取は同じく標高5500mのところに住んでいる地元の人々が担当。この地で生まれ育ったからこその知識や勘など、彼らにしかない知識を借りながら量を調整しつつ採取しているのだ。 

ジャタマンシー以外にも、化学物質に汚染されていない標高3000m以上のヒマラヤ山地に生息する動物ヤクのミルクや、ネパールの国花であるアンソポーゴンなど、ネパールだからこそ得られる原料を中心に、いずれの商品も農薬や化学薬品は一切使用せずに作られている。レモングラスが配合され、ベーシックなものよりも少々さっぱりとした商品も展開されているので、これからの季節は女性だけでなく乾燥が気になる男性にもおすすめだ。

ヤク
レモングラスが配合された商品は緑色のパッケージ

そのほか、特別な贈り物に最適なのがこの手紙のパッケージを身に纏った石鹸だ。こちらは、しばらく使用するとなかからメッセージが現れてくるフェイス&ボディソープで、石鹸の中には「お誕生日おめでとう。早すぎたかな、遅くなってしまったかも。近々、会いましょう。」や「今晩、デートのお誘いをください。なにしろ、もう1ヶ月も待っているんだから。」など、ふと現れたときについクスッとしてしまうような可愛らしいメッセージが忍び込んでいる商品。今後は、自分で考えたオリジナルメッセージを入れられたり、英語版のメッセージも用意されていくそうなので、ぜひ大切な人へ贈ってみてほしい。

  

日用品を扱う店のほとんどが石鹸やバスソルトを販売しており、正直どれを選んだらよいか分からないほど多くのものがある。しかし、そのなかでも『Lalitpur』の商品を使いたいと消費者に思わせる力がこのブランドにはある。使用されている原料も厳選されたものなので商品の質が良いというのはもちろん、ネパールの女性を想う真っ直ぐな想いや、ラッピングの紐からも伝わってくる小さな心遣いなど、忙しく生活を送っているとつい忘れてしまう些細で大切なことがたっぷりと詰まっているのも消費者の心をハッと動かす要素となっているのだろう。ネパールについて「自然の厳しさに触れること、たとえば雨季の際に急に雨がたくさん降ってきて土砂崩れになってしまったとか大変だったことはたくさんあるけれど、ネパールで人に騙されたり意地悪をされたことはない」と話してくれた向田。今後は、さらにネパールの女性たちの活動の場を広げていけるよう『Lalitpur』として成長していきたいとも語ってくれた。フラッグシップショップが誕生したことにより、これまでよりもさらに気軽に手に取れるようになった『Lalitpur』の商品。機械ではなく1つ1つ丁寧に人の手で作られた温かみのある商品をぜひ1つ手に取ってみてほしい。

Lalitpurの詳しい情報はこちら

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