世界初のヲタ芸ダンスレッスンを受講してきた

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
広告
Originally posted June 12 2014

タイムアウト東京マガジンの最新号が6月30日(火)に発行される。創刊以来、食やサブカル、ナイトライフまで、あらゆる東京の「今」をグローバルな目線で発信してきた当誌だが、今夏の7号目では、世界で初めて「ヲタ芸」を教えるダンスのクラスを開設したダンススタジオ、Topfield Dance Centerの主宰である上野隆博(TAKAHIRO)のインタビューを掲載する。制作期間真っ只中の5月下旬、編集部の外国人スタッフと筆者が桜上水のスタジオに伺い、上野への取材の前にヲタ芸クラスを実際に体験してきた。

TAKAHIRO

ヲタ芸といえば、アイドルやアニメの声優、ボーカロイドのライブやイベントなどでファンが楽曲に合わせて独特の踊りや動き、掛け声をする行為。応援するアイドルへの熱い気持ちを全身全霊で表現しているその動きは特異としか言いようがなく、その証拠に日本のヲタク文化は、アイドル文化とセットでいまや世界的認知を獲得し、 geek(ギーク)でもnerd(ナード)でもなく「Otaku culture」として世界に広まっている。

 

このヲタ芸の斬新さが、ダンサーTAKAHIROの目に留まり、彼のプロデュースするダンススタジオの授業として加えられることになった。TAKAHIROとは、ヒップホップ文化の聖地であるニューヨークのアポロシアターが主催する全米放送コンテスト番組『SHOW TIME AT THE APOLLO』にソロダンサーとして出場し、マイケル・ジャクソンを超える歴代最多優勝記録となる9大会連続優勝記録を打ち立てたのち、マドンナのワールドツアーにもダンサーとして参加した日本が誇るトップダンサーだ。

 

「どの業界でも同じように、ダンス界も常に新しい動きや発想を求めています。僕がニューヨークから日本に帰ってきてこのヲタ芸を初めて見たとき、これだ!と思ったんです」とTAKAHIRO。驚きと懐疑と、ほんの少しの期待を抱きつつ、まずはレッスンを受講してみることに。

 

「ギニュ〜特戦隊」のギアちゃそ先生(左)としゅんしゅん先生(右)が丁寧に教えてくれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基本姿勢。速く大きく動くために足を広げて腰をできるだけ落とす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講師はパフォーマンスという概念がなかったヲタ芸を一から作り上げ、現在のオタ芸として確立させたギニュ〜特戦隊。そして選曲はボーカロイド界のDiva、初音ミクの『千本桜』。文句なしの条件が揃った、もう逃げられない。

はじめに教わったのはOAD(Over Action Dolphin)と呼ばれる動き。腕を大きく左右に振り、各サイドで顔の横で手を合わせる

「いかに大きく、そして速く動くかがヲタ芸ダンスの真骨頂です。だから、ひとつひとつの動きに、手の先までこだわります」と、ギアちゃそ先生が見せてくれた本気の速度のOADは目にも留まらぬ速さであった。

その後、『ロザリオ』とサビ技と呼ばれる大技のひとつ『サンダースネーク』を教わる

動きの説明は割愛するが、『サンダースネーク』はとにかく格好いい

 

そして最後にお待ちかねの『ロマンス』。オタ芸の中でも最も有名な技で、たいていテレビなどで紹介されるのはこの技なので、見たことがある人も多いだろう。

意識が飛びそうになるくらい激しく振り続けた

つらい

外国人スタッフも、ものすごく速く動くのでびっくりしたらしい

一曲通して打つ前に、遂にケミカルライトが配られた

 

 

 

と、以上の技を組み合わせてAメロ、Bメロ、サビまで1曲が打てるようになった!1曲を通しで合わせた時には、 クラスには躍動する魂の一体感が生まれていたような気がする。説明よりなにより、ここは完成したダンスの動画を見てほしい。

終わったあとは二人で爽快な達成感に浸った。

 

とはいえ、以前より一部のファンのマナーが問題視され、アイドルのコンサート会場でのヲタ芸やケミカルライトの使用は制限されてきている。周りの迷惑にならないように、留意しながらのパフォーマンスで自分たちなりに全力でアイドルを応援するスタイルになってきているらしい。ではいったいこの情熱はどこへ注がれているのかと疑問に思ったのでうかがったところ、ギニュ〜特戦隊は『YouTube』への動画アップを主な活動としているそうだ(検索するとものすごい量の動画が出てくる)。その動画が話題を呼び、今彼らは数々のイベントで振り付けを担当するほか、『日清カップヌードル』のコマーシャル出演も果たしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もはや、ヲタ芸は本当にダンスのいちジャンルとなりつつあるようだ。興味のある人、今後身ひとつで世界に挑む気合いのある人、世界最前線の動きをTopfield Dance Centerで習得してみては。

Photos by: Kisa Toyoshima

 

Topfield Dance Centerの詳しい情報はこちら
ギニュ〜特戦隊の詳しい情報はこちら

最新ニュース

    広告