下北沢でJOJO広重先生に占ってもらった

テキスト:
Kunihiro Miki
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JOJO広重が占いの店を開いた」。2016年1月、音楽メディアが報じたそれは、彼の名を知る人の多くにとって唐突な知らせだったはずだ。多くの伝説的なノイズアーティストを生み出しているこの国において、そのシーンの生き字引ともいえるバンド非常階段を率いるとともに、真のアンダーグラウンドレーベルであるアルケミーレコードの取締役を務めるJOJO広重。彼のパーソナルな部分を関知しない音楽ファンには、語り継がれる過去のステージでの奇行、蛮行の数々のイメージから、JOJO広重=危険人物、という一般認識がある、という言い方は大げさではないだろう。そんな彼が占いを……?ノイズを浴びせながら卦を占うのだろうか。恐る恐る、同店を訪ねた。

下北沢の北口、古着屋や雑貨店が特に密集しているエリアにJOJO広重の占い店、FUTURE DAYS 下北沢はある。店内の雰囲気は明るく、ワンルームのなかに受付と問診スペースがあるシンプルな作り。

 スピリチュアルなBGMはジャーマンプログレバンド Ashraのアンビエントな名盤『New Age Of Earth』

JOJO広重は、驚くほど穏やかな表情で出迎えてくれた。ノイズミュージシャンとしてステージに立ち、暴力的な音を放っているときの彼とは、別人のよう。占い師以外の何者でもないその佇まいの理由は、実は彼が70人を超える弟子を持つ「断易(五行易とも呼ばれる)」の鑑定士であったというキャリアを知ることで、納得できる。

彼が断易に出会ったのは、アルケミーレコードを立ち上げた2年後の1986年。同レーベルの経営難に悩んでいた彼は、東京の神保町にあったレコード店経営者の友人に紹介された断易の占い師のもとを訪れ、その教えの確かさに興味を持ったという。自ら「諸口流断易」を習得し、鑑定士となって以降は、大阪を中心に占い師として活動していた。今回の下北沢での開業は、東京での弟子たちも増えたことから、彼らの実践の場を作りたかったためだという。

「僕が鑑定士であることを知らない人が意外と多いみたいで。豚の頭投げたりしてる人が……って皆さんお思いでしょう(笑)。あなた、出身はどちら?お仕事はなにをしてらっしゃるの?」

 中国発祥の占いである断易は、日本においては圧倒的に鑑定士の人口が多い周易とは異なるもの。陰陽を使った64卦と、五行とよばれる自然の法則を組み合わせた断易は、非常に具体的な答えを導きだすのがその特徴として挙げられるという。実際の占いでは、超常的なイメージとは真逆の、現実的で細やかなカウンセリングが行われる。

「悩みが具体的であればあるほど、具体的な答えを導くことができます。話しながらその人の色々な情報が入ってこないと、占いの精度が上がらない。だから、メール占いなどはしないんです。卦を占い、人相、手相、家相といった『相』も見ながら、あらゆる兆候から、なにをしたら得をするのか、損をするのか、といった未来を伝えます」

この日は、タイムアウト東京の台湾人スタッフが占いを受けた。留学生である彼女の、恋愛や勉強、仕事についての悩みに対して、JOJO広重は近い未来から遠い将来までの「傾向と対策」を伝える。実際に、彼自身のこれまでの音楽活動においても、断易による導きが功を奏してきたという。 

「僕の占いは、その人の過去を当てたりはせず、未来を良いものにするために人生におけるミスやエラーを少なくするために役立つ、非常に便利なものです。店名の『FUTURE DAYS』は僕の好きなバンドCANのアルバムタイトルからの引用ですが、『未来』というのが大きなテーマなのです」。

 

「昔の男からの連絡は相手にするな」。まさにFUTURE DAYS

 

JOJO広重以外の鑑定士も一流の断易鑑定士を揃える同店の出勤情報は、ホームページにて確認できる。オンラインでの予約は30分単位で、30分6,000円、60分12,000円。 店頭では10分2,000円~となっている。人生の分岐点に立ったときには、JOJO広重に導いてもらおう。

 

FUTURE DAYSの詳しい情報はこちら

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