ハラル対応のレストランが一目瞭然、無料アプリHALAL GOURMET JAPANがローンチ

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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Originally posted July 9 2015

世界初の、英語による日本のハラール情報を集めたポータルサイト『ハラールメディアジャパン』が、ムスリムに優しいレストラン検索アプリ『HALAL GOURMET JAPAN』を公開した。
円安の影響も受け、訪日外国人が急増している日本。日本政府観光局の発表によれば、2015年5月には、5月としては過去最高の164万人(前年同月比50%増)もの外国人が日本を訪れた。桜のシーズンが終わった5月にこれだけの数を記録したことは、日本への注目の高まりを如実に表している。「爆買い」と呼ばれる、中国人のショッピングが何かと話題に上るが、その陰で確実に存在感を増しているのが東南アジアを中心としたムスリム、ムスリマの人々だ。

ハラールメディアジャパン『ハラールメディアジャパン』

ハラールメディアジャパン『ハラールメディアジャパン』



ハラル認証マークが自身のハラル基準を満たしているとは限らない。
イスラムの教えを守るムスリムたちにとって、旅行中の食事に困るだろうことは想像に難くない。最近でこそ「ハラル認証」を取得する企業や、「ポークフリー」を謳う飲食店が増えてきたものの、ハラルへの不完全な理解からのトラブルを懸念する声も一部では囁かれている。そもそもムスリムのなかでも、アルコールを嗜む人がいたりと、ハラルへの接し方は人それぞれ異なる。世界中に数多あるハラル認証団体でも、認証の基準は一定でない。そのため、ハラル認証マークがあったとして、それが自身のハラル基準を満たしているとは限らないのだ。なかには、「ポークフリー」と称していながら豚肉由来の調味料を使っていた、などという話もある。これはさすがに最悪の事例だが、店員に日本語で確認することもできない外国人旅行者にとっては、食事のたびに不安にかられるのも納得だろう。


本題のアプリ『HALAL GOURMET JAPAN』の革新的なところは、前述のような多様な食習慣を持つ人々が、自分に合った条件でレストランを検索できるという点だ。エリアや料理のジャンルで検索できるのはもちろんだが、わかりやすいピクトグラムとともに「ハラル認証を取得している」「(適切な屠殺処理をされた)ハラル肉を使用している」「ハラル料理とそれ以外の料理でキッチンや食器を使い分けている」などの細かな条件を選択的に指定できる。昨今では、ムスリム需要を当て込んで、明らかに営利目的のハラル認証団体が乱立しているという話もある。ハラル認証マークがなくても、店舗側がちゃんと情報を開示すれば、食べられるか否かを自分で選ぶことができるのだ。様々なアレルギーを持つ人の食事を想定すれば、当然の話とも言えるのではないだろうか。

ハラル認証があれば安心という人にも、豚肉さえ使用していなければ食べられるという人にも

検索結果画面も、ピクトグラムで店舗の満たす条件が一目瞭然



現段階で、日本中のレストランが400件以上も掲載されている同アプリ。ウェブサイト『HALAL GOURMET JAPAN』でも同内容のものは閲覧できるが、スマートフォンのアプリとして無料でダウンロードできるため、ムスリムの日本旅には重宝するだろう。また、今後ますます訪日数が増えると見込まれるムスリム観光客を呼び込みたい飲食店にとっても、同アプリに掲載されることが必要条件となるのかもしれない。

『ハラールメディアジャパン』の詳しい情報はこちら
『HALAL GOURMET JAPAN』の詳しい情報はこちら

やはりシェフがムスリムなら安心だろう

もちろん複数選択できる

礼拝のスペースが用意されているところは、なお嬉しい

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