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すべてのロックファンに「ストーンズ展」を勧めたい3つの理由

すべてのロックファンに「ストーンズ展」を勧めたい3つの理由

In association with Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展
テキスト:高木望

壮大な映画を観たかのような感動とカタルシス。3月15日(金)から開催されている『Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展』の会期延長が決定した。2016年ロンドンを皮切りに世界ツアーの真っ最中であるこの展覧会には、連日多くのザ・ローリング・ストーンズファン……もとい、多くのロックファンが訪れている。

アジアでは唯一の開催となるTOC五反田メッセでの展示を紹介するにあたり、ひとつ言いたいのは、この展覧会が「ザ・ローリング・ストーンズのことをよく知らない人でも感動できる」内容である、ということだ。なぜそう言い切れるか、展覧会の見どころを交えながら理由を伝えたい。

1:空気までが完全再現された「男子部屋」

 バンドの歴史を支える楽器の数々 

この展覧会を支えているのは、500点を超えるストーンズにまつわるアイテムと、190点を超すオリジナルアートワークである。展示されているものは、メンバーが実際に使っていたギターを始めとする、ファン垂涎(すいえん)のアイテムばかり。レーベルと結んだ契約書や、キース・リチャーズが愛用した手帳に事細かに記された当時の状況から、我々はバンドの半生を追体験することができる。

バンド初期に住んでいたアパートの部屋は、小物まで忠実に再現

グッと引き込まれるのは、彼らのリアルな生活がにじみ出てくる「完全再現」のスペース。例えば、バンドメンバーが結成当時に住んでいたとされる部屋を再現したブースには、あらゆるドキュメンタリーやノンフィクション小説を超えたリアリズムが待ち構えている。

キッチンの洗い場からあふれ、果ては床にまで転がった使用済みの皿や、おそらく洗っていないベッドカバー、剣山のようにタバコが刺さっている灰皿。これらはメンバーから得た情報をもとに構築されたという。

こんなボロアパートで生活していた彼らが、まさか「世界を股にかけるロックバンド」になるなんて、当時の関係者も思っていなかったろう。このように、メンバーの周囲を覆っていた「リアルな空気感」を感じさせる仕掛けは、展覧会の随所に潜んでいる。


2:ストーンズのブランディングを学ぶ

彼らを「唯一無二の存在」たらしめたのは楽曲だけではない。例えばバンドを代表するベロのロゴ、通称「Lips and Tongue」も多くの人を引きつけるひとつの要素だ。

ザ・ローリング・ストーンズをあまり知らなくても、このロゴにピンとくる人はいるだろう。ロゴブースでは「Lips and Tongue」がどのような経緯で生まれ、どうやってポスターなどに落とし込まれていったかが分かる展示になっている。ここまで衰えを知らないロゴを生み出したジョン・パッシュに感服である。

展覧会では限定のロゴ入りアイテム、グッズが購入可能

そしてこの「Lips and Tngue」しかり、改めて展覧会を俯瞰すると、ザ・ローリング・ストーンズというバンドが、いかに彼ら自身をブランディングするクリエイティブ表現に支えられていたのかを痛感する。

ライブの舞台模型やライブ衣装からも、そのこだわりは十分に伺い知ることができるだろう。「どの衣装を着たいか」「どの舞台を見てみたいか」「どのポスター、作品を部屋に飾りたいか」といった目線で展示を楽しむのもアリだ。 


3:名曲を解体し、再構築する背徳感

ここまでは、視覚的なアプローチで彼らの魅力をキャッチするポイントを紹介してきたが、この『Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展』の面白いところは、「体験」をもって彼らの魅力に迫るところである。

見逃せないのが、当時のレコーディングブースを再現した展示。等身大で忠実に作り込まれた展示の中から、どんなふうに名曲が生まれていったかを想像するのも一興である。 

スタジオを眺めながらドキュメンタリー映像も視聴できる


だが、それだけではない。なんと彼らのディレクターになった気分で、楽曲のミキシングができるのだ。ミック・ジャガーのヴォーカルを抑え、キース・リチャーズのギターをグイッとボリュームアップし……という具合に、彼らのリリース楽曲をいじることができる。調整さえすればドラム、ベースの音だけを楽しむことだってできる。名曲を解体し、再構築する背徳感は、ここでしか味わえない。 

ボーカル、コーラス、ギター、ベースと分かれたトラックをミキシング

そして、展覧会の最後に待ち構えるのは、「禁断の空間」ことバックステージの再現ブース。限られた関係者しか入れないはずのそのフロアには、置かれたままのコーヒーとメイク道具、そして出番を待ちわびるように陳列された楽器が並ぶ。

まるで本番前の緊迫感までもをパッキングしたかのような荘厳さがある(ハンモックで仮眠をとるスタッフまで再現されているので、見逃さないように)。 


興奮と緊張のバックステージを抜け、足を踏み込む先には2016年の野外ステージを再現した3Dコンサート映像が。

今なお衰えないロック魂と、ファンの熱狂、そしてあたかも自分がそこにいるかのようなリアルな迫力を肌で感じ取れる。たった5分間の映像体験とは思えない満足感を味わいながら、この展覧会を締めることができるのだ。

『ボヘミアン・ラプソディ』に続く、ロックブーム再燃の象徴

展覧会は全て撮影可能だ


そこまでクイーンのことを知らなかった人々が映画『ボヘミアン・ラプソディ』に熱狂したように、この展覧会には、ミュージシャンの虜(とりこ)になってしまうような普遍的な魅力が存分に込められている。

あの汚い男子部屋から始まったストーリーは、世界中の多くのファンが流す興奮の涙をもって、これからも続いていく。その歴史を振り返り、共感し、追体験していくことで、まさに「壮大なロック史」に自ら身を沈めるような感覚を味わえるのだ。だからこそ、この展覧会を「これからロックを知っていく人」に楽しんでもらいたい。あなたが必ずや感動できるということは、このテキストをもって保証する。

『Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展』の詳しい情報はこちら

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