9月公開の注目映画5選

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Miri Matsufuji
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タイムアウト東京が注目する今月の映画は、振り幅が広い。泣いて笑ってキュンとする、さまざまな感情になれる作品が勢ぞろいだ。タイムアウト東京で監督の大森立嗣と主演のYOSHIにインタビューを行った、青春映画『タロウのバカ』が公開中のほか、犬好きならば号泣したであろう『僕のワンダフルライフ』の続編『僕のワンダフ ルジャーニー』、賞レースを席巻した最旬青春映画の『エイスグレード 世界でいちばんクールな私へ』、男同士の週末のロマンスを甘酸っぱく描く『WEEKEND ウィークエンド』など、注目作品を紹介する。

『タロウのバカ』※9月6日公開

(c)2019「タロウのバカ」製作委員会

雑誌『フォーブス(Forbes)』の世界を変える30歳未満30人の日本人を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」に選ばれた、まだ16歳の「イット ボーイ」、YOSHIの俳優デビュー作。脇を固めるのは菅田将暉と仲野大賀だ。生まれてから一度も学校に行ったことがなく、自分の年齢も分からないタロウが2人の仲間たちと出会い、世界を知る。刹那的に生きる3人はひょんな事から拳銃を手に入れ、無垢な狂気と暴力性が爆走する。ネグレクトを題材にした衝撃作だ。 

『僕のワンダフルジャーニー』※9月13日公開

(C)2019 Storyteller Distribution Co., LLC, Walden Media, LLC and Alibaba Pictures Media, LLC.

何度も輪廻転生する犬の人生の中で、どうにかして愛する飼い主のもとへと必ず戻ってくる忠犬ぶりに誰もが涙した『僕のワンダフルライフ』の続編。今作でもまた転生をし飼い主に言われた通り、孫を守るためのジャーニーが続く。どんなに愛していても人間より命の短いペットだが、こうして自分のもとへ戻ってきてくれるのではと希望をもらえる作品。タオル持参でワンワン泣こう。 

『エイスグレード 世界でいちばんクールな私へ』※9月20日公開

(C)2018 A24 DISTRIBUTION, LLC

アメリカのエイスグレード、つまり8年生とは、日本でいう中学2年生。生まれた時からインターネットやSNSが存在するジェネレーションZ世代のティーンのリアルな恋や葛藤、家族との関わりを描き、アメリカ全土で大絶賛の青春映画だ。YouTuber出身でコメディアンや俳優として活躍するボー・バーナムが自らの体験をもとに執筆し、監督も務めた。映画『レディ・バード』のプロデューサーに、『ムーンラ イト』の製作会社。この時代のティーンを描くのに全てがそろった期待の一本だ。 

『ライリー・ノース 復習の女神』※9月27日公開

(C)2018 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2000年代に大ヒットしたアメリカのドラマ『エイリアス』で、アクション女優としてブレイクしたジェニファー・ガーナー。その後もラブコメや最近では母親役で活躍していた彼女が、40代になった今、アクションに挑戦した。やはり強い女性のアクション映画は文句なしに格好いい。しかも家族を奪われた母親の執念による復讐劇だ。アクション映画として大いに楽しむべき作品だが、実際にギャングの抗争に巻き込まれることはアメリカの現状であり、これがリアルであることを忘れないでほしい。

『WEEKEND ウィークエンド』※9月27日公開

(C)Glendale Picture Company MMXI

映画『さざなみ』や『荒野にて』などのアンドリュー・ヘイが監督を務める最新作。クラブで知り合った男性2人の週末だけの淡い恋を描く。ヘイが得意とする映像美で、パステルカラーの夕日のような切なくも美しい情景を観客の心の中に残してくれる作品だ。LGBTQへの意識は世界的に高まってきているとはいえ、まだまだ差別や偏見はなくならない。男女の恋愛物語と異なるのは、そういった葛藤を抱える者同士のストーリーという側面もあるということ。禁じられた愛は人類の永遠のテーマなのだろうか。一人でじっくり浸りたい作品だ。

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