渋谷フクラス1階に誕生したshibuya-san、「通いたくなる」観光案内所の多機能な魅力

テキスト:
Kunihiro Miki
広告

旧東急プラザ渋谷の跡地に誕生した複合施設、渋谷フクラス1階に12月5日、ツーリストインフォメーションのshibuya-san(シブヤサン)がオープンする。

観光情報案内や荷物預かりなどの観光支援機能だけでなく、アートセンターとしての機能も備え、定期的にアートの展示が行われる。さらにカフェ&バーとしての利用もできるなど、これまでにない新しい観光案内所の形を提示する場所だ。実際にshibuya-sanにはどんなものが用意されていて、何ができるのか? その全貌を見てみよう。

空港と渋谷を結ぶ拠点

まず、エントランスにはバスチケット販売のカウンターが置かれており、その隣には羽田空港行きの乗車券が購入できる自動券売機と外貨両替機が設置されている。

渋谷フクラスの一階には一般路線バスに加え、羽田・成田両空港から空港リムジンバスが乗り入れるので、空港からバスで渋谷に降り立ったツーリストはshibuya-sanで観光情報を得る、という動線になっている。

フロア内では手荷物預かりサービス(1,100円)も行っており、荷物配送にも対応している。フリーWi-Fiやコンセントも完備、SIMカードも販売される。 

エントランス脇の棚にはタイムアウト東京が製作した英語版のガイドマップとマガジンが並ぶ

国籍や世代を問わずコミュニケーションが生まれる場所

観光情報を提供するコンシェルジュは、あえて専門家を置かず、留学生を中心とした外国人スタッフたちがラフな雰囲気で出迎える。中国、韓国、台湾、タイ、アメリカ、コロンビア、ドイツ、イタリアなど、さまざまな国籍のスタッフがフロアに約3人常駐し、日本語と英語に加え、母国語で対応してくれるため、旅行者にとってはより親しみやすい存在と出会える場所となるだろう。

こうした「国籍や世代を問わずコミュニケーションが生まれる場所」をテーマにした場所づくりは、空間の面でも行われている。内装デザインは、表参道や名古屋、ニューヨークのルイ・ヴィトンを手がけた建築家の青木淳によるもの。アート展示やイベント開催など、状況に応じてレイアウトが変更しやすいよう机や壁が可動式になっているなどの工夫がなされ、本格的な音響と照明設備も整う。

営業時間は23時までと周辺の観光案内所よりも遅く、奥のドリンクカウンターでは夜間にはアルコールの提供も行う。ドリンクメニューはノンアルコールも含め、『甘酒スパイシーチャイ』『京抹茶ラテの上海ディープシーゼリー』『フローズン・パイン・コロナリータ』など、SNS映えのするメニューが多い。

「観光」目線のアートプログラム

また、アートセンターとしての展示プログラムもスタートし、12月5日(木)〜26日(木)の期間は、現代美術ユニットL PACK. による『芸術家売屋図(Artist Buyers)「手考足思 」』が開催される。

同展は、日本のアートセンター発祥の地である新潟県長岡市と、アートセンターの「これから」を担う渋谷区、2つの都市に着目し、それぞれの地で活動するアーティストたちの作品が展開されるという内容だ。

フロアの中央にあるのは、渋谷の地形を模した「すり鉢」型の台を用いた、グラフィックデザイナーのフクナガコウジによる展示。渋谷の拠点に活動している彼の、「インプット」と「アウトプット」が立体的に並べられたものだ。

フクナガコウジ

渋谷で見たもの、行きつけの店のメニュー、幼少期に初めて行ったBunkamuraの展覧会で買った図録から、自身が手がける渋谷のライブハウスWWWのアートワークなど、フクナガが渋谷で吸収してきたものと、作り出してきたものがごちゃまぜになって並んでいる

壁側の展示ボックスには、小木曽瑞枝ら長岡のアーティストたちによる作品やプロダクト、工芸品などが並ぶ

展示プログラムは、来年以降も定期的に入れ替えが行われる予定とのこと。さらに、12月5日には人気ラジオパーソナリティーのロバート・ハリスらを招いた詩の朗読会『shibuya-san ポエトリーカフェセッション:0』が行われるなど、早くもその展開に目が離せない。

渋谷で手持ち無沙汰になったら、まずはshibuya-sanを訪ねてみてはいかがだろうか。

shibuya-sanの詳しい情報はこちら
『芸術家売屋図(Artist Buyers)「手考足思 」』の詳しい情報はこちら
『shibuya-san ポエトリーカフェセッション:0』の詳しい情報はこちら

関連記事
『アートセンター×観光案内所の誕生は必然だった? 12月開業のshibuya-sanのコンセプトとは』

最新ニュース

    広告