外国人客のがっかりを解消?タトゥー隠しスプレー開発者がクラウドファンディングを開始

テキスト:
Hanako Suga
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欧州ではヘアカラーをするような感覚で当たり前に浸透しているタトゥー文化。小さな文字や絵柄をカジュアルに入れる人はもちろん、「日本人に彫ってもらった」という和彫を大胆に入れている若者なども多い。日本でも、江戸時代後半に刺青が「粋」なものとして爆発的ブームを巻き起こす以前から、アイヌや琉球においても古く受け継がれてきた文化だ。

しかし現在は、アートや文化的側面よりも、罪人やヤクザといったネガティブな印象のみが残ってしまったように感じられる。このタトゥーをタブー視する状況は、訪日外国人が増加する東京でもいまだに深く根付いており、温泉や銭湯のほかにも、若者が出入りするダンスクラブやスポーツジムなどでもタトゥー禁止のサインが掲げられていることもある。

「タトゥーが入った人が温泉に入るなんてもってのほか」といったシチュエーションに一番困惑するのが、海外からの旅行者だ。2018年12月に3000万人を突破した訪日外国人客。観光庁の2015年の調査によると、彼らの旅の目的の一つとして「温泉」を挙げている外国人旅行者は半数近くいる。

そんな中、「タトゥーをした外国人にも日本の温泉を楽しんでもらいたい」という思いから開発されたアイテムが登場した。タトゥーをナチュラルに完全カバーできるというボディースプレー、『body cencealer』だ。防水性が高く、一度塗ると3日から7日もタトゥーを隠すことができる。

仕上がりを見るとびっくりするほどナチュラルにカバーされている

『body cencealer』

タトゥーを覆うシールや包帯などを使用して温泉を利用できる施設もあるが、カバーしきれず利用を諦める観光客も多い。開発者の長山太陽男(ながやま・あきお)は、「利用者だけではなく、温泉施設などの受け入れ側にも進んで導入してもらいたい」と語る。今まで入場を断ることしか選択肢のなかった受け入れ側の問題解消にもなるだろう。

もちろん、タトゥーを隠すことだけが解決策ではないかもしれない。しかし今後タトゥーの偏見と向き合う社会を目指していくには、こういった施設側と利用者側との相互関係が必要となっていくだろう。『body cencealer』はクラウドファンディングで、スプレーをより使いやすくするための製品改良費用、プロモーション費用の支援を募っているので、興味がある人はチェックしてみてほしい。

『body canceler』のクラウドファンディングはこちら

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