デザイン会社が提案、アフターコロナのニューヨークの緑な街並み

理想はグリーンで、車不要で、屋外を満喫できる都市空間

Shaye Weaver
テキスト:
Shaye Weaver
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ロックダウンでニューヨーカーがずっと部屋に閉じ込められていた時、人の行き来が少なくなったことで排気ガスが減少し、市内の緑地や水路は自然に近い状況になった。そして、外出が可能になると、我々は癒やしを求めて公園を目指した。

誰もが経験したこうした自然への回帰に触発され、世界的なデザイン会社であるWATGは、パンデミック後の都市空間をより良いものに変える目的で、社内プロジェクトをローンチ。同社の都市プランナー、ランドスケープアーキテクト、デザイナーで構成されたチームが、マンハッタンのフラットアイアン地区に焦点を当て、ニューヨークのための「グリーンで、車が不要で、屋外で休憩がとれる」街並みのビジョンを作り上げた。同社によると、コンペのテーマエリアにフラットアイアン地区を選んだ理由は、この地区とそこにそびえるフラットアイアンビルがまさにニューヨークの象徴であるからだ。

発表されたデザインのタイトルは『グリーンブロック』。チームを率いたのはジョン・ゴールドウィンで、道路から空間を「取り戻し」、人々と環境のために「再生」することを目指したと、WATGは述べている。

このデザインは実際にどのように作られるのだろうか? WATGによると、メンテナンスいらずで、100%リサイクル可能な素材から作られた部品を組み立てることで導入が実現できるという。

舗装された歩道は青々とした植物に置き換えられ、レストランではそこから野菜やハーブ、果物を収穫し、メニューに載せることもできるようになる。このプランでは、緑を加えることで、都市の空気をきれいにろ過することができる。さらに街並みを美しくしながら、車の騒音や汚染を減らし、減少するハチに生息地を提供。人々が運動したりくつろいだりするためのオープンスペースも増えるのだ。

flat iron building watg
Photograph: Courtesy WATG

ゴールドウィンは、「自然から切り離されることが多い人々のために、街頭での休息もっととれるようにするべきだ。パンデミックは、自然とつながりたいという都市生活者の静かなニーズを浮彫りにした。その欲求はもはや人権であり、市はそれに対処する必要がある。グリーンブロックはニューヨーカーとニューヨーク市の世界での地位のために最高の利益になるだろう」と語っている。

WATGは、実際にロンドン市内の不動産所有者と協力して、グリーンブロックを導入可能な通りを見つけている。このアイデアはアーバンデザインフォーラムによる「シティー・ライフ・アフター・コロナウイルス」のソリューションとして選ばれた。

そしてこのアイデアは、間違ったものではなかったようだ。ニューヨーク市はこの夏、ソーシャルディスタンスが必要とされるなかで、住民が自転車に乘ったり、ランニングしたり、単に屋外空間を楽しめるようにすために、道路を通行止めにした。

このアイデアにあなたはどう思っただろうか?

原文はこちら

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