宮城県石巻、MORIUMIUSでしかできない10のこと

宮城県石巻、MORIUMIUSでしかできない10のこと

東北に子ども向けの就業体験施設が開業。

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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豊かな森が豊かな海を、そして豊かな子どもたちの未来をつくっていく、森と海と明日を意味する「MORIUMIUS(モリウミアス)」という子どもたちのための総合複合施設が2015年7月18日(土)、宮城県石巻市雄勝町に開業する。世界中の子ども(小中学生)を対象に、漁業、林業などに携わる第一次産業従事者との交流を通じて体験する、様々なプログラムが提供される。2002年に廃校になった校舎を再生したその場所を、タイムアウト東京の記者も訪れてみたので、定番のスタイルで、その魅力を書き出したい。

漁に出る。

1. 漁に出る。

雄勝の一次産業を体験できるのが、MURIUMIUSの主要プログラムのひとつだ。季節によってホタテやホヤ、牡蠣などの漁に出る。採れたてを船の上で「掃除」して、その場で食べられるのも魅力。初めてホヤが海からあがる姿を見た子どもたちは「かいじゅうみたい!」とはしゃぎ、初めて口にするその味は「ちょっと苦い」ようだった。

 
森の手入れをする。

2. 森の手入れをする。

漁と並ぶ一次産業のひとつとして体験できるのが林業。豊かな森が豊かな海を育てていくというだけあり、その緑は濃く、深い。鉈や鋸など、初めて使う道具を手にした子どもたちの目は輝き、集中して木を切り出していた。切り出した木は、木工体験の材料に使われることも。

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沢を登る。

3. 沢を登る。

施設の近隣には、沢があり、子どもたちは冒険さながら、その沢を登る。滑りにくい沢登り用の靴を履く子もいるが、中には裸足で苔が覆う岩の感触を確かめながら登る子も。自然むき出しのその環境は、子どもたちにとって危険もあるが、しっかりとスタッフの目が行き届いているので、安心だ。

炊きたてをむすぶ。

4. 炊きたてをむすぶ。

旬の海の幸、畑の幸が味わえるのはもちろん、薪と羽釜で炊く米も絶品だ。特に都会に住むものにとっては、贅沢の極みである。その炊きたての白米でむすぶ塩むすびはまた、格別の味。「うんめー」と塩むすびを頬張る子どもたちの笑顔もまた格別だ。施設にはレストランも併設されており、季節ごとの料理が味わえる。

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木造建築の神髄を見る。

5. 木造建築の神髄を見る。

MORIUMIUSの施設となっているのは、2002年に廃校となった旧桑浜小学校で、約90年前に建てられた木造の校舎だ。開業するにあたり、その当時の建築材や建物を最大限に残し、いかしながら建てられている。校舎内の柱をよく見ると、下の方は新しい木材がはめられているが、上の部分は建てられた当時のものだ。

露天風呂は薪で焚く。

6. 露天風呂は薪で焚く。

小学校の校舎に新しく併設されたのが露天風呂だ。山から切り出してきた竹でできた塀や、土を塗った壁。地元に古くから伝わる職人の技を随所に感じられる露天風呂の湯は、薪で温められる。薪も、施設に訪れる子どもたちの手によって割られるものだ。

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エコシステムを体験する。

7. エコシステムを体験する。

施設の水などは、校庭下に新設された設備で循環して使われる。田んぼの水も、生活用水を再利用するもの。大自然の中で、最先端のテクノロジーを体験できるのもこの施設の魅力のひとつ。自然との調和が考えられてつくられたエコシステムをぜひ体験してほしい。

大きな背中を追いかける。

8. 大きな背中を追いかける。

様々な年代の子どもたちが国内外から集うMORIUMIUSでは、多様性のある出会いが期待できる。小学生の低学年は高学年の背中を追い、高学年は中学生を、中学生はボランティアのリーダーたちを、リーダーたちは地元の職人や、施設に集う各分野のプロフェッショナルたちを……と、そこには必ず目指すべき背中がある。国籍や年齢、バックグラウンドの異なる仲間たちとの時間は大きな気づきとなるだろう。

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東日本大震災を忘れない。

9. 東日本大震災を忘れない。

前述した通り、施設は廃校になった校舎を再生しているが、実際の話、新しい建物を建てた方がコストは低い。雄勝の町では、2011年3月11日に襲った東日本大震災による津波で、家屋を含む約8割が流され、現在もなお、仮設住宅での暮らしを余儀なくされている。かつて存在したほとんどの建物が残っていない町に、この校舎は90年の歴史を残している。地元で採掘されるすずり石で葺かれた屋根は、一枚一枚その石を洗い、また新たに葺かれたそうだ。近隣には、津波の被害を受けた小学校跡などもある。ぜひあわせて訪れてほしい。

想いを語り合う。

10. 想いを語り合う。

MORIUMIUSを運営するのは、公益財団法人 sweet treat 311で、代表理事である立花貴、そして理事の油井元太郎がその中心となる。立花は、雄勝の漁師とともに漁師の合同会社「オーガッツ」の立ち上げをし、漁業の新しい価値を見いだすとともに新しい街づくりに貢献。東洋経済が選ぶ「新世代リーダー50人」に選出されている。油井はキッザニアの日本導入に尽力してきた経験がある。この2人を中心にしたメンバーにより、まだまだ荒々しくもあるが、想いの詰まった施設が誕生する。ぜひ、その想いを知ってほしい。

photo:sweet treat 311代表理事、立花貴

 

MORIUMIUS(モリウミアス)
宮城県石巻市雄勝町桑浜字桑浜60

施設利用のプラン
7泊8日滞在型プランは、子どものみ(小中学生)が参加可能
7泊21食:47,600円、プログラム参加費(農林漁業や料理など7日間):77,000円
1泊2日/2泊3日の短期訪問プランは、大人と子どもで参加できる日程もあるが、プログラムの参加は子どものみ
1泊2食:6,800円、プログラム参加費(漁業など1日間):11,000円
2泊5食:13,600円、プログラム参加費(漁業など2日間):22,000円

MORIUMIUSの詳しい情報はこちら

photo:sweet treat 311理事、油井元太郎

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