新芸術監督、長塚圭史の演出のもと、『近松心中物語』がKAAT 神奈川芸術劇場で上演。
本作品は、庶民文化が華やいだ元禄時代の大阪を舞台に境遇の違う2つの恋の情景を描いたもので、「日本演劇界の金字塔」ともいわれている。戯曲に描かれる生と貧富の葛藤は、現代のコロナ禍における新たな格差や価値観の違いに通ずるものがあるだろう。
公演には、田中哲司、松田龍平、笹本玲奈、石橋静河などの実力派俳優が顔をそろえる。これまでは50人もの出演者で描かれてきた作品を、本作は19人で演ずるということにも注目したい。