パルコミュージアムトーキョーで、「ドローイングとは何か?」という根源的な問いをテーマにした展覧会が開催される。
人類史の最古といわれる洞窟壁画から現代のアートに至るまで、人にとって新たに線を生成したり、線の軌跡を見いだすというドローイング行為は、普遍的かつ多様なものとして連綿と今日まで続いてきた。
本展では、ラディカルなアプローチでドローイングの可能性に向き合うアーティストが作品を展示する。宇宙の万物が持つシルエット(線)から路上の記号までを解体、再構築し、ドローイングを新たな言語として探究する鈴木ヒラク。有機体の自己組織化に迫り、触覚的な線画を用いて描く村山悟郎。そして、メディアや機械、装置が作る線描に人が何を見いだすのかを軽妙に問うやんツーの3人だ。
パンデミックとの共存を強いられるこの複雑な時代に、人間中心主義から脱した場所で、独自に線を生成していくアーティストの作品からどのような意図や感覚を発見できるのか、会場に足を運び作品と直接向き合ってみては。