美術家ヒデミ・ニシダと、写真家ピアカルロ・クエッキアの2人によるルポルタージュ展がKATAで開催される。モスクワの南西にある巨大な野外芸術公園「ニコラ・レニヴェツ」を、2018年から2年間にわたり両アーティストそれぞれの視点で取材した作品を展示する。ソビエト崩壊後、この地域のコルホーズ(集団農場)の多くは消滅してしまうが、新たに移住してきた芸術家と、周囲に住む労働者たちによって再起を謀る事に成功した。
ニシダとクエッキアは、「ニコラ・レニヴェツ」が政府や企業の援助を受けない、独立した活動であることに注目し、どのようなバックグラウンドやストーリーがあるのか深く追求した。資本主義の限界が叫ばれる昨今、「この地に根付く労働者たちの姿に次世代の社会を作るヒントを見いだせるような気がする」と2人は語る。同展は『ニコラ・レニヴェツ』や周辺地域で生活する人々へのインタビューとポートレートを通して観覧者へその現実を問いかける。
登壇者のヒデミ・ニシダ (西田秀己、美術家、女子美術大学助教授)と、来海(BACK TO THE NIKOLA-LENIVETS エディトリアルディレクター)によるアーティストトークが、2022年6月25日(土)18時30分〜20時はドリンク代600円で参加できる。