舟越保武彫刻展 まなざしの向こうに

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タイムアウトレビュー

練馬区立美術館の開館30周年記念展の第2弾として、練馬の地とも縁の深い舟越保武の展覧会が開催されている。学友、佐藤忠良らとの親交や、舟越桂の父としても、日本の彫刻史に大きな影響を与えてきた舟越保武。本展では、代表的な彫刻作品約60点に加え、初公開を含む多数のドローイングを展示し、舟越保武の生涯にわたる彫刻の仕事を回顧する。大理石による美しい女性像に代表される作品群や、自身のカトリック信仰との関連から、流麗や清楚といった言葉で語られることの多い舟越の彫刻。しかしながら、ハンセン病患者に尽くし自身も感染者となった「病醜」のダミアン神父を題に採った作品などを目にすれば、決して技巧的な美しさだけを求めた作家ではないことが理解できるだろう。一元的な美醜を超えた感性は、晩年に右半身不随となって以降制作された作品により濃く息づいている。本展の最後部で観られる、左目のみに眼差され、左手のみに彫琢された作品群は、まさに圧巻だ。

詳細

住所
問い合わせ
03 3577 1821
営業時間
Jul 12-Sep 6 2015 10時00分~18時00分 ※入館は閉館の30分前まで
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