線を聴く

銀座メゾンエルメスの8階にあるアートスペースで開催される、シンプルな「線」を考察する展覧会。森美術館での『シンプルなかたち展 : 美はどこからくるのか』に呼応する展覧会となる同展では、自然のなかに見いだされる線や、線の生まれる場所に焦点が当てられる。「遊び」についての研究でつとに有名なロジェ・カイヨワが、石の持つ神秘を敬虔に読み解いた奇書『石が書く』のテクストを呼び水に、密やかながらも確かな強度を持つ作品が紹介される。カイヨワ自身の貴重な石のコレクションから、瑪瑙や大理石を中心に約60点が展観されるほか、出展作家には、アジアの現代美術を代表するシュ・ビンや、ミュージシャンとしての活動でも脚光を浴びるカールステン・ニコライなどが名を連ねている。日本からも、建築家ユニットのアトリエ・ワンや、日常のスケール感を操作した作品が印象的な双子姉妹ユニット髙田安規子・政子らが参加する。