画家、下平晃道の2年ぶりとなる個展。鮮やかな色彩を放つ新作のペインティングとドローイングを、インスタレーションの要素も絡めながら展示する。
下平の作品には、ユーモアと不気味さを併せ持ったキャラクターが登場する。背景は、厚く盛られた絵具、強い筆致、鮮烈な色彩によって具象とも抽象ともとれるように描かれ、ファンタジックでありながらどこか毒々しい“目に見えない世界”を印象づける。
「“目に見えない別の世界”は、民話や童話やおとぎ話などにも頻出します。昔から人々は、その目に見えない世界に関心を持ち続けてきたんだと思うんです。僕は絵を描くことを通して、その世界を感じられるようにしたい」と作家自身が語るように、下平の作品は、いつもと違う感覚で世界を知覚させるきかっけとなる。作品と実際に対面し、画の質感や色の重なりを感じなければ、異世界への入り口には近づけない。是非、ギャラリーへ行き、間近で下平作品を体験してほしい。