2016年11月にオープンし、現在も多くの来場客で賑わいを見せている「すみだ北斎美術館」にて、浮世絵のコレクターに注目した開館記念展が開催されている。同館の収蔵品の少なくない割合を占めるのが、ピーター・モースと楢﨑宗重が収集した2大コレクションだ。コレクターとして、また北斎の研究者としても知られるモースのコレクションには、数々の名品はもちろんのこと、『冨嶽三十六景』でも藍1色のグラデーションで摺られた珍しい版や、摺師のミスしたものなど、研究者らしいマニアックな作品が見られる。また、楢崎コレクションには北斎のものが少ないものの、浮世絵のコレクターや研究者などを相撲の番付風に表した『古今東西浮世絵数寄者総番附』など資料的価値の高いものが揃っている。同品には、楢崎の名前のほか、竹内栖鳳や橋口五葉などの画家や坪内逍遥などの小説家、東武鉄道の根津家や資生堂の福原家、はたまた伝説的な出版社の第一書房を興した長谷川巳之吉といった実業家の名前まで載っており、こちらもマニアックな興味をそそる。展覧会は前後期で一部作品が入れ替わるが、番付は会期を通して展示されている。
すみだ北斎美術館を支えるコレクター-ピーター・モースと楢﨑宗重 二大コレクション-
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